月下美人の君.5

【政】依依恋恋.2 ページ7

A「お見合い…ですか？」


ちょうど100人目をぶっ飛ばして、Aが振り返る。倒れされた兵士達は、起き上がる者は誰もいなく、皆幸せそうな顔で倒れていた。


騰 「相手は、現秦王の弟 成蟜だ」

A「…！(それって政の弟ってこと？！)」


隆国 「しかしッ！成蟜と言えば、数年前の反乱の粛清で幽閉されていたはず。
しかも、第一夫人がいたと聞くが…」


録嗚未 「なにィィィィッ！！！
姫様が二番手だとッ？！
その餓鬼…捻り潰すッ！！！」


干央 「落ち着け、録嗚未ッ！
だが、なぜ今回は断れないのだ？」


騰 「幽閉されているとはいえ…王族の端くれ。
権力と金はある。

従わなければ、王一族への大名達からの支援金を止めると言われた」


A「…ッ！」


隆国 「…それでは脅しではないか！
殿がどれだけこの国の為に、尽くして来たと思ってる！」


騰 「殿がいない今、立て直しを図る為にも金は必要だ…。だが、奴らの好きにさせるつもりはない。


A、お前には申し訳ないが

一回だけ…
成蟜とお茶して帰ってきてくれないか？」


A・一同
「「「そんなんでいいの？！(ですか？！)」」」


騰 「ああ。あとは私が上手くやる。

安心しろ…。

お前を変な男に嫁がせたりする気はない」


A「騰さま……！」


その言葉に、ギュッ…と抱きつくA。
大切な殿の忘れ形見。

Aは、騰にとってこの世で一番大切な存在なのかもしれない…。



録嗚未 「………」

結局美味しい所は、いつも彼が持っていく。
つまらなそうに後ろを振り向くと、倒れている100人の屈強な男達。



録嗚未は、Aがその相手をボコボコにしないか心配だった。



⭐

その頃、同じ知らせを聞いて
違う場所にいるのに、全く同じ反応している者達がいた。


政 「Aが成蟜とお見合いだとッー！！」


瑠衣 「私という者がありながら、
成蟜様がお見合いですってー！！！」

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