月下美人の君.4

天上天下.2 ページ8

その巨大な矛から、奪ってきたおびただしい数の魂が悲鳴が聞こえる。


龐煖 「我が内に潜む荒ぶる神は、
他の神の存在を一切許さない。


だが、お前は特別だ……。


この俺のモノとなり、その女の身で
俺の子供を産んでもらうぞ……。」


聞く者達全てが耳を疑った。
今この男は何と言った……？



信 「ッッざけんなああぁぁー！！

んなこと、俺が絶対許さねぇッッー！！」


A「…信ッ！？」


フラフラしながらも、血を流しながら
立ち上がろうとする信。


そのボロボロな姿を見て、Aの血が逆流するかのように怒りが全身が湧いた。


ブワァッッと一気に空気が凍りつく。
それは全てがAの殺気だった…。


相対する龐煖へと向けられているはずなのに、
周りにいた飛信隊の兵士達は、息苦しく、鳥肌が止まらないのだった。



崇原 「姫が来ただけで、雰囲気が一気に変わった…？」

田永 「…あいつの強さは折り紙付きだ。
化け物みてぇーな強さ！…この目で見た！」



続々と兵士達の目に、希望の光が蘇ってくる。


だが、Aの前に立ちはだかるその姿は、

彼女の華奢な体の何十倍とあった。


信 「だめだッ！！A、逃げろッー！！」


尾平に掴まらないと立てないのか、
血を流し叫ぶ信。


ドォオォォッッッ！ーーーー


同時に龐煖がAに向けて刃を振り下ろした。

その衝撃に地面はヒビ割れ、砂埃が舞った。

その中に薄っすら人影が見えた瞬間に、

刃がAを貫いてるように見えた。



信 「Aッッッー！！！！」

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