【王賁】可惜身命.2 ページ46
ガタゴト…と秋の村へと馬車が向かう。
秋 「…本当によろしかったのでしょうか？」
心配そうにお腹をさする…その目の前には
女官の格好に変装したAだった。
髪もまとめ上げた彼女は、素朴な格好をしていても
元からの美しく整った顔がさらに際立って
より色っぽい雰囲気を漂わせた。
A「…上手くいったね！
これで、秋は子どもを無事に産むことだけを考えて…あとは、私が守るから」
秋 「姫様っ！…私なんかの為に、申し訳ございませぬ…」
A「こらぁ〜。泣かないの…。
それよりさ、結婚するってどんな気持ち…？」
まだグズグズと、鼻を赤くする秋だが、
それでも相手の事を思い出す彼女は、幸せそうに微笑んだ。
秋 「私は本当に幸運な女です…。
家と家が決めた結婚ではなく、好きな人と結ばれるのことが出来ました…。
先に子どもが出来て、順番が逆になってしまったけれど……それでも不器用な彼は、生涯守り抜くと誓ってくれたんです…」
A「………素敵だね。秋、幸せそう」
秋 「A様は結婚されたい殿方など、いらっしゃらないのですか？
…A様ほど美しいお方であれば、
お相手の方は、より取り見取りでしょうに…」
A「…ははっ。そんなことないよ〜。
縁談だって来たことないし」
秋 「…(あらっ！王騎様は、A様に内緒で断っていらっしゃったのかしら！
…王族や名家の方々から沢山来ているのに。
三大天 廉頗配下の将軍の方からは、毎週の様に恋文も届くし…)」
ちょっと複雑な気持ちになる秋であった。
A「…(結婚かぁ……)」
考えてみなかった訳でもない……。
ただ、まだ決心がつかないだけ。
そういえば、蒙恬からの「好き」という言葉を
今更思い出して、真っ赤になる。
…ずっと信用できる幼馴染で、時には兄ように甘えてばかりいた彼を、異性として見るなんて…
途端に恥ずかしくなった。
⭐
秋 「姫様…着きました！
ここが私が生まれた村で…
…ッ！…そんな！ひどい……！」
A「……ッ！」
馬車を降りて、目の前に広がった光景は
火がついた家や荒らされた物で溢れかえり、
すでに殺されている村人達。
秋 「…そんな！あの人は…っ！！」
A「秋っ！…離れちゃダメっ！」
自分の家族の元に走っていく秋。
まだ何人か息があり
血だらけの子どもが父親に泣きついていた。
その光景が、自身と重なり
Aの目の前が真っ黒になった……。
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愛羅(プロフ) - こちらこそよろしくお願いいたします。 (2020年10月2日 19時) (
レス) id: 2129d10c64 (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - 愛羅さん» いえいえ！変なミスばっかりでお恥ずかしいです。速さだけは頑張ろうと思ってるので、よろしくお願いします！ (2020年10月2日 18時) (レス) id: d89cc95811 (このIDを非表示/違反報告)
愛羅(プロフ) - 変更ありがとうございます。コメントして、直ぐに対応してくださったなんて、感激です。 (2020年10月2日 17時) (レス) id: 2129d10c64 (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - 愛羅さん» 愛羅さん。教えて頂き、ありがとうございます！さっそく修正しました。素敵と思って頂きありがとうございます。ご要望あればどしどし下さい〜！ (2020年10月2日 17時) (レス) id: d89cc95811 (このIDを非表示/違反報告)
愛羅(プロフ) - コメント失礼致します。41ページ目の蒙恬からのプロポーズの名前変換が上手くいきませんでした。このお話の描写や、ストーリー展観等とても素晴らしいと思って、読ませていただいています。私個人の我儘なお願いではありますが、変更宜しくお願い致します。 (2020年10月2日 17時) (レス) id: 2129d10c64 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：09kokoa | 作成日時：2020年8月25日 16時
