才色兼備 ページ17
小さい頃から、父上の大きくてゴツゴツした手が大好きだった。
その手に撫でなれると、どんなに寝付けなかった夜も魔法がかかったように…安心して眠れるのだった。
うっすらと目を開けると、日が昇っていた。
隣を見ると……そこには誰もいなかった。
⭐
A「………ッ！」
起き上がろうとすると、肋骨がミシッと悲鳴を上げた。巻かれていた包帯に、うっすら血が滲む。
それでも、Aはなんとか立ち上がり
服を着た。
天幕の中には、いつどこで手に入れたのか
愛刀と、鎧や兜が置いてあった。
朱龍 「………起きたか」
A「じい様ッ！？」
入り口から入ってきた人物に驚くも、
コツン…とおでこを軽く叩かれる。
朱龍 「ばあさんの形見は、
ちゃんと大事にしろと言っただろ。
…じゃじゃ馬娘が。」
A「……ごめんなさい」
しゅん…と落ち込むが、自分が此処に来るまでの記憶を呼び起こす。
A「じい様ッ！…信は？？
飛信隊の皆はどうなったの？！」
落ち込んだ姿もつかの間、朱龍の胸倉を掴む勢いで必死に話すA。
思わず、顔を背ける。
その顔を見て…全てを察した。
A「まさか……私だけ助けたの？？」
自分の口から出た言葉とは思えない程、
地を這うような絶望の声だった。
朱龍 「ああ……。そうだ……」
それでも祖父は、逃げずにしっかり受け止めろ…と正面からAに向き合った。
これは戦争だ……。遊びじゃない…。
そんな事分かってるけど……
自分の存在を認めてくれて、
一緒に戦ってくれた信や、飛信隊の皆を思うと
居ても立っても居られなくなった。
鎧や愛刀を引っつかんで、外に出る。
朝日と共に、本陣ーーつまり父・王騎が出陣する狼煙が上がっていた。
久しぶりに会った愛馬は、Aを見つけるとその顔に頭をすり寄せて、会いたかったと言っているようだった……。
朱龍 「待てッ！！…骨が折れてるんだぞ。
馬に乗ったら悪化する！」
A「大丈夫ッ！
ここから本陣は近い。父上と合流する！」
そう言って一人愛馬を走らせる。
アダム 「あらあら…まあまあ…」
朱龍 「……はぁぁぁーー。
本当に朱宝の生き写しのようだ……」
かつて自分が愛した女も、
豪快で誰にも止めれない強さを持っていた。
この歳になっても、
尻拭いをするとは思わなかったが……
朱龍 「準備の出来たものから、
Aに続けッ！！…出陣だァっ！！」
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愛羅(プロフ) - こちらこそよろしくお願いいたします。 (2020年10月2日 19時) (
レス) id: 2129d10c64 (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - 愛羅さん» いえいえ！変なミスばっかりでお恥ずかしいです。速さだけは頑張ろうと思ってるので、よろしくお願いします！ (2020年10月2日 18時) (レス) id: d89cc95811 (このIDを非表示/違反報告)
愛羅(プロフ) - 変更ありがとうございます。コメントして、直ぐに対応してくださったなんて、感激です。 (2020年10月2日 17時) (レス) id: 2129d10c64 (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - 愛羅さん» 愛羅さん。教えて頂き、ありがとうございます！さっそく修正しました。素敵と思って頂きありがとうございます。ご要望あればどしどし下さい〜！ (2020年10月2日 17時) (レス) id: d89cc95811 (このIDを非表示/違反報告)
愛羅(プロフ) - コメント失礼致します。41ページ目の蒙恬からのプロポーズの名前変換が上手くいきませんでした。このお話の描写や、ストーリー展観等とても素晴らしいと思って、読ませていただいています。私個人の我儘なお願いではありますが、変更宜しくお願い致します。 (2020年10月2日 17時) (レス) id: 2129d10c64 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：09kokoa | 作成日時：2020年8月25日 16時
