今日も ページ3
「それでさ」
「へー」
さっきから同じ返事ばかりをして適当に会話を流す。
急がないといけないのに。
「ねぇ、まふ君。時間だからもういいかな？」
「あ、もうそんな時間か。いってらっしゃい。……見つかると良いね！」
そうやって通話を終了させる。
まふ君は僕の事情を知っている。
さかたんも知っている。というか、学校が一緒だったんだ。
名前も、何も知らない人を僕は探している。
唯一分かっているのは、容姿程度だ。
でも、それは、もう数年前の話。
変わっている可能性だってある。
でも、僕は必ず見つけ出す。
今日は、そんなに星が綺麗じゃない。
「また明日の夜に君を探しに行こうと思う」
君が見つからない時に言う言葉。
気づけば毎日言っていた。
いつ、この言葉を言わなくなるのだろう？
いつ、君を見つけてまた一緒に笑いあえるんだろう……？
どこにいるの？
視界が霞んでぼやける。
探しては泣いての繰り返し。
泣いたって何も変わらないことは知ってる。
でも……
寂しさは埋められないよ。
君の代わりは誰にも出来ないんだ……
「Aっ！？ 春だけどまだ寒いし風邪ひくよ？ 家においで」
優しく語りかけてくれるのはさかたん。
「さかたっ……ん、……今日も……見つから……なかったよっ……」
さかたんに言ってもどうにもならないのに。
困らせてしまうだけなのに。
「俺じゃ、その寂しさを……あいた穴を埋めることはできない？」
さかたんには、孤独っていう穴を埋めて貰ってる。
でも、君がいないとこの寂しさだけは埋められない。
「さかたんは……孤独の穴を……埋めてくれてるよ……？」
「ごめん……」
なんで、謝るの？
「僕に謝らないで、僕こそごめん」
「明日、星がきれいに見えればいいね」
「うん……」
さかたんなりに励ましてくれる。
それだけで、それだけでいいんだよ。
さかたんが傍にいてくれるだけでいいから。
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