【 歌い手 】色鮮やかなの桜ノ雨【 大型コラボ 】

咲き誇れ、恋の桜。……うらたぬき……そらうさぎ。 ページ1

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「ぜんばぁい、卒業おめでどうございまずぅぅ……！！」

「分かった、分かったから涙と鼻水を拭け……！！」


今日は先輩の……片思いの相手の卒業してしまう日。

先輩にハンカチを押し付けられ、私は涙を乱暴にふく。


「目、腫れるぞ。い、いや俺には関係ないけどさっ！」


先輩の、不器用な優しさ。

嬉しくて、

でも、こうやつて笑い合えるのは最後の日なんだって、悲しくて

また涙があふれ出す。


「あぁっ、泣くな！？」

「ごめんなざぁい……」

「ああっ、こするな！」


先輩の手が、私の手に触れる。


「もっと大切にしろよ。Aの目、綺麗なんだしさ……」

「……え？」

「っ、あ。今の忘れて、お願い！」

「は、はい……」


目がきれ、い……。

嬉しい。

だけど、


「先輩の目の方が綺麗ですよ〜」

「あ、笑った。ん、ま、まぁ、その……ありがと」


先輩の翡翠色の瞳。

吸い込まれそうなくらい、宝石みたいにきれいで。

いつかその瞳が、私だけを映せばいいのに

なんて。


「ッ……せん、ぱい……うぅ〜……！！」

「え、またぁ……？ あーよしよし。ほら、泣くな？」


先輩は私の頭にポンポン、と優しく手を置いて撫でる。


「せんぱい……」

「ん？」

「すき、です」


零れてしまった「好き」の二文字。

今更訂正してももう遅いかな、なんてどこか他人事のように考えていて。

でも、きっと私の頬を赤く色づいてる気がする。


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