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謝るのは僕の方だと思った
傷付けて傷付けて
ボロボロになりながら、それでも必死に何かを探す様に生きていた君の
初めて僕にすがったあの手を
当たり前に振り払った僕を
失ってから君のことが誰よりも大切だったのだと気付いた自分勝手な僕を
諦めないでいてくれた
やっと見ることのできた君の綺麗な笑顔
曇らすことのないように
胸に刻んだ
「え、七海くん術師辞めちゃったの？」
一週間ぶりにテーブルに向かい合う僕と花子は、少し遅めの夕食の後にデザートのミルフィーユを食べていた
勿論、クリーム増し増しで尚且つ皿の追いクリームも添えられているやつ
会話の流れで思い出した様に七海が呪術師を辞めサラリーマンになることを伝えると、心底驚いた様子の花子がやや前のめりに返してきた
あまりの食い付きに内心眉をひそめるが態度には出さない
「まあ、アイツはずっと迷ってたからね〜。時間の問題だったでしょ？」
「……そう、かな」
そう言って紅茶に口をつける花子を見ながら、僕は内々に秘めていた疑問をとうとう口に出すことにした
「花子と七海ってさあ…そんな仲良かったっけ？高専の時もそんな話してるの見たことないけど」
「……」
まさかの無言！！
……表情も無！！
どういう感情？！
好きな女の子の前では余裕のある男でいたい、という偏った概念でギリギリ顔には出しはしないが内心は乱れまくる
すると花子はぽつりぽつりと話し始めた
「…仲、良かったのかな…よく分からない。でも七海くんとゆっくり読書したりする時間は嫌いじゃなかったよ」
でも…、と続けたはいいが先を良い淀む花子
勿体振っているわけではない、説明の仕方を考えている様子だ
「私は下手くそだから…七海くんを傷付けてガッカリさせちゃったの」
眉を下げスッと目を細める花子はきっと知らないだろう
寧ろ伝える気もない
『……幸せに、してあげて下さい』
そう言った七海の表情を
声を
………なるほど
これはかっさらわれたとしても文句は言えないレベルだったな、とひとりゴチた
まぁくれてやるつもりは微塵もないけど
どうやら僕が考えていたよりも、七海と花子の間の空気…というか相性はずっと良かったらしい
七海がもう少し行動派であったのなら下手したら花子は靡いてたかも知れない
「……」
七海と花子の二人が寄り添うなんて有り得ない想像をした僕は盛大に顔を歪めた
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夏蜜柑 - 初めまして。こちらの作品大好きです、この作品に出会えてよかったと思ってます✧˖°続き楽しみにお待ちしています！ (2022年12月25日 1時) (
レス) id: dd9c73cc8a (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - 続編嬉しいです(≧∇≦)⁎⁺˳✧༚楽しみにしてます！ (2022年8月25日 14時) (レス) id: b22c7f7e5f (このIDを非表示/違反報告)
にき(プロフ) - わーい初コメですです。めちゃくちゃ面白いです！続編楽しみにしてます！ (2022年8月20日 1時) (レス) @page50 id: 219a3eddad (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - ameyoさん» こんばんは！忘れた頃の返信でもうしわけないですっ。読んで貰えて感想までくださってとっても嬉しいです。ありがとうごさいます！(´▽｀) (2022年8月20日 0時) (レス) @page50 id: 9c488eb26d (このIDを非表示/違反報告)
ameyo(プロフ) - 一気に読み進めてしまいました(^^)涙が止まらなくて止まらなくてとっても感動しました！ありがとうございます！こんな素敵な物語に出会えて感動です。後日談もっと読みたいです！お体に気をつけてください！更新楽しみにしてます！ (2022年6月14日 2時) (レス) @page49 id: 9a4641eaa7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かのん | 作成日時：2021年4月26日 3時
