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――――――




聞いてしまった。

悟が、私のことを極端に嫌う本当の事を。









盗み聞きするつもりは微塵もなかったけど、

私の部屋までの道にもなっている廊下を通ろうとすると、真剣な顔をしている夏油くんと、悟がいたから。







おもわず近くにあった隅に体を隠し、

彼らが去る時を待っていた。









でも、2人が話す声はしっかりここまで届いていて。









夏油くんが、何故私のことを嫌うのか聞いた。








悟は、しばらく黙り込んだものの、









私と物心ついた時から比べられていた事。



私のせいで厳しい訓練を受けていた事。



それに気づいた時から私を恨んでいたこと。



私を恨むことで、自分は潰れずにいれた事。









それを全て聞いた時、私の目から涙が零れていた。









私は、知らない間に人をずっと傷付けていた。



私がいなければ、悟は、こんな苦しい思いもせずに、皆からの冷たい目線を浴びずに、生きてこれていたはずなのに。









『________私、何やってるんだろう』









月下彩様術を全て使える子がいるという噂を聞いた時


その子を越せと脅迫といえる様な圧をかけられた時


何故あの子のように出来ないんだと殴られた時


練習しても練習しても結果が追いついてこなかった時









きっと、悟はずっと私を恨んでいた。









最初、嫌いと言われた時、

私もこんなやつ大嫌いだと思った。









でも、きっと嫌いなんかじゃ済まされない程の
大きな恨みを私に対して持っていたんだと思う。









それを「嫌い」なんて2文字で済ませていたのは、

彼の無自覚な優しさなのだろう。









私も嫌いだった。

大嫌いだった。

私のことを嫌いと言ってくる悟が。

口を開けば馬鹿、阿呆、クズ、カス、雑魚。

そんな悟が大っ嫌いだった。









でも、私の嫌いな悟は、私が作っていた。









________仲良くなりたいなんて、無責任。









誕生日の日、心の距離が近くなった気がして嬉しくなっていた私が目の前にいるのなら殴りたい。









(______最低だ、私)









気づいたら悟も夏油くんももうその場には居なくて。









私は自分の部屋までの道をゆっくり歩いた。

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花音(プロフ) - 麗さん» すみません!他の作品とごっちゃになっちゃいました汗!星野でお願いします( > < ) (2021年3月19日 13時) (レス) id: 3990a49577 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 1ページ 設定の名字と 御三家では~ の後で名字が違うのは理由があるのでしょうか? それとも誤字なのでしょうか? (2021年2月19日 1時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
しばいぬ(プロフ) - すっごい五条さんなんか可愛い……!!凄いわかりやすい文で読んでて楽しかったです!!絵とても上手ですね…!! (2021年2月14日 8時) (レス) id: 8b10c27942 (このIDを非表示/違反報告)
花音(プロフ) - 天さん» 有難うございます!励みになります( > < ) (2021年1月17日 20時) (レス) id: 3990a49577 (このIDを非表示/違反報告)
- めっっっちゃ好きです (2021年1月17日 19時) (レス) id: 323c2d6c78 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花音 | 作成日時:2021年1月16日 18時

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