その18っぎゃー！オバケだー！！ ページ18
それは、酷く恐ろしいものだった。マントを着ていたけど人じゃない。頭巾で隠れている暗闇の中を想像しただけで気分が悪くなる。ギリッ…とフレッドの腕を無意識に、強く強く締め付ける。怖くて、怖くて頭が可笑しくなりそうで。彼の手が無ければ、私は今にも気が触れた人間のような叫び声をあげていただろう。
得体の知れない、人型のナニカは私達に近付いてくる。すーっ…と滑るように。
「ぁ…っ、ぁぁ…！」
もう恐怖は限界点に突破しそうになっていた。今すぐ暴れてここから逃げ出したい！怖い！怖い怖い怖い！！！
フレッドはそれに気付いたのか、手で私の口を抑えるのではなく、親指を唐突に口内に突っ込んできた。思わず噛み付く私！目も瞑る！！叫び声を出す代わりに、強く噛み付いて意識を噛む事に集中させていた。
気配がゆっくりと近付く。個室は全員の息を殺すような、浅く小さな呼吸の音しか聞こえない。…と、瞼の向こう側から、僅かに、それでも強い光が当たったのを感じた直後。まるで心臓を凍り付かせようとしていた空気が消えていった。…そして、パッ！と瞼に覆われた眼球は、皮膚越しの強い明かりを感じ取る。
「つぅ〜〜…っ！Aちゃん、もう大丈夫だよ。アイツ居なくなったみたいだ。目を開けるついでに、俺の親指と腕も解放してくれると嬉しいね」
「っ！！」
私はフレッドの最後のセリフを聞き、瞼を開けるのと同時に急いで口を開き、腕も離して体を引いた。彼は苦笑いしながら親指を少しの間、口に含み、その後腕をさすった。
「うぁぁ…ごめんなさいごめんなさい！！」
「いいんだよ、仕方ないさ。…そんなことより」
「そうとも。お前はいつまでレディの腰に抱きついているつもりなんだ？お坊ちゃんよ」
フレッドとジョージは、軽蔑の眼差しで私の腰部を見つめる。私も、そっと見下ろしてみる。
「ドラコ君…もう居なくなったよ。だ、大丈夫…？」
友人の荒い息が腹部に当たってくすぐったい。私は、はにかみながら頭をそっと撫でると、すぐに彼はバッと離れた。
「お、おやウィーズリーの双子とAじゃないか！手洗い場と勘違いしたよ！ハ、ハハハ！それじゃあ僕はここで失礼するよ！！」
終始挙動不審のドラコ君は、もう酷い引きつった声で通路へと去っていった。顔なんか、青になったり赤になったりと、凄い顔してた。
「ふんっ、手洗い場かよ。無事辿り着けるといいな」
「あいつ今にも漏らしかかってたもんな」
双子は最後にそう吐き捨てた
その19っ吸魂鬼の方が怖いわ！ばーか！！→←その17っ停電だ！ホラーだ！！
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レモン(プロフ) - はじめまして、すごく面白かったです！続きが気になります！ (2018年12月8日 0時) (
レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
カノン♭(プロフ) - カイナさん» 心躍る嬉しいお言葉です！！一度執筆を開始した身、なんとか時間を見つけこの週末に執筆したいと思います！！！ (2018年8月25日 13時) (レス) id: ac2788321e (このIDを非表示/違反報告)
カノン♭(プロフ) - Teke Raさん» お待たせしてしまい申し訳ございません！とても嬉しいお言葉ありがとうございます！了解しました、この週末、時間を見つけ執筆致します！！！！ (2018年8月25日 13時) (レス) id: ac2788321e (このIDを非表示/違反報告)
カイナ - 更新してくれませんか？ (2018年8月17日 21時) (レス) id: 1b390c81ea (このIDを非表示/違反報告)
Teke Ra(プロフ) - すいません！！帰って来てください！！この後の展開が物凄く気になります！！更新再開して欲しいです！！ (2017年9月9日 20時) (レス) id: 8ce3839a41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カノン♭ | 作成日時：2015年7月25日 23時
