蒼色マーブル３【桃】 (ページ17)

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「なあバーベキューするんやろ？」

「するでー」

「ええなー、行きたい行きたい！」

「あー、来るー？大島んちにそんな人入れば」

教室に戻ると、シゲと隣のクラスから遊びに来たらしいサッカー部の寺田くんが、アミちゃん達と話している声が聞こえる。

「まあでもあいつんち広いからな」

「大島ってお金持ちなん？」

「お父さん医者やから」

「サウナあるもん、家に」

「え、すご！」

……バーベキュー、どうしよう。

「……そういえばA結局バーベキュー行く？」

ユウちゃんもシゲ達の会話を聞いていたらしい。

「んー……なんか、やめよかなぁ」

「え、なんで？」

驚いた様子で私を見るユウちゃんに近づく。

「あんな……のんちゃんに、告白、してん」

「え、ほんま！？」

ダンボールを塗る手を止めて会話モードに入ったユウちゃんに、簡単に話す。

「それでなんか…自分がよくわからへんねんて」

「はーん…うーん」

「…まあ、のんちゃんが私のこと好きちゃうのはわかってたし、それはええねん。でも気まずいことは気まずいやんか」

「まあ、な」

「やし、なんか今行っても…どうなんやろって」

「でも小瀧くんに25日って言われたんやろ？」

「…そうやけど、なんか喋らんと気まずいって感じやったから」

それに、今日の様子ではシゲだってきっと私に来て欲しいとは思っていない。

「ユウちゃんはどうする？」

「行こうと思っててんけどー…Aおらんのー」

「でも神ちゃんとかおるで」

「そうやけどさ」

「まあ、ちょっと考える」

やめようと思っていた。

二人も気まずい人がいて行くのは、さすがに空気の読めない子なんじゃないかって。

前日の夜に、のんちゃんから大島くんの家の最寄駅と集合時間が書かれたLINEが届いた。

通知を見て、とりあえず開かずにどうしようか考えていると、シゲからも『明日のこと聞いた？』というLINE。

シゲも、のんちゃんみたいに一度誘ったものをナシにしない優しさな気がしたけど、疑問形のメッセージに『聞いたよ』とだけ返す。

『そっか』
『来るやろ？』

立て続けに吹き出しが現れる画面。

『来いよ』

わからない。どうしたらいいのか。

『一緒に行く？』

のんちゃんから更に届いたメッセージに、胸が痛くなる。

結局、のんちゃんが他の女の子とバーベキューをしている姿を想像すると羨ましくてたまらないんだ。

『ユウちゃんと行くから平気やで』

そう、返信した。