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目の前の書類とにらめっこをしながら私は悩んでいた
傍らにはハガキ
“契約更新通知”
「……んー…」
２年更新であるこのアパート
更新の日は刻一刻と迫っていた
…しかしここで問題がひとつ
『いいよ、でもあんまり待てないから』
脳内で反芻されるのは数ヶ月前の悟くんのそのひと言…あの日以降意外にも悟くんは同棲についての話題に触れることはなかった
待ちわびている感はヒシヒシと伝わってくるが…
出来るだけ悟くんと共にありたいとは思う
思うけど…
多分一緒に住むとなると嫌でもあらぬ想像をしてしまいそうで
だがこれ以上は悟くんがいつ強行手段を取ってもおかしくはない
「でも…、んー…」
しかし気付けば元の木阿弥
踏ん切りが付かない自分が嫌になる
…しかも気付けばいつの間にか更新する方に丸がっ！
ピンポーン
「はあっ！！」
いつも通り鶏さん宜しくなハートがばっくんばっくんと脈打つ
時刻は21時を回った所
こんな時間に訪ねてくるのは悟くん位なものなので、急いで机に広げた書類一式を仕事の冊子の下に仕舞った
「はーい！」
ドアを開けると案の定、私のアパートに似つかわしくない長身の男性…悟くんが「よっ」と片手を上げて立っていた
今日は任務で沖縄に向かった筈なのだが…もしかするとトンボ返りしてきたのだろうか
「びっくりした…任務は？」
「そーんなの僕に掛かれば瞬殺さ！移動日ばっかりに時間が掛かっていやになっちゃうよ」
「ふふ…お疲れ様。お腹空いてない？」
「ペッコペコ！」
悟くんのお腹が図ったようなタイミングで小気味良い音を鳴らしたため思わず笑ってしまった
「ひっどいなー、愛しの恋人がこんなにお腹空かせてるっていうのに！」
「ごめんごめん！…さて客様、何かご注文はありますか？」
「麺で」
「ジャンル広いなー」
話しながら中に招き入れると悟くんがお土産に紅イモタルトをくれた
食事が出来るまでの繋ぎにとそれを数個とココアを机に置き調理に取り掛かる
…パスタでいいかな
「そういえばさー」
「なあに？」
「僕家売ったんだよね」
ぐしゃっ
卵を割ろうとボールの淵へ向けて振り上げた瞬間のひと言
力加減を誤った卵は見るも無惨なお姿に…鶏さんごめんなさい
「ど、どうして？気に入ってたのに…」
「まあ折角山田太一と住むんならもう少し山田太一好みの部屋にしたいしね。何せ最初の愛の巣だし！」
「…へ」
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√ - わー！めっちゃすきです！ (2021年3月13日 19時) (
レス) id: c890e5f159 (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - 舳さん» 嬉しいっ！！ありがとうございます！(´▽｀) (2021年2月25日 19時) (レス) id: 9c488eb26d (このIDを非表示/違反報告)
舳(プロフ) - しんどい…語彙力失いましたとても好きですありがとうございますヽ(；▽；) (2021年2月24日 19時) (レス) id: 1f83f3c66d (このIDを非表示/違反報告)
神無月(プロフ) - かのんさん» かのんさんの欲望の塊を楽しみにしてます((( ･`ω･´)ｷﾘｯ (2021年2月21日 15時) (レス) id: 27e0c87bdc (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - 神無月さん» コメントありがとうございます！これからも欲望のまま書きなぐります！(o≧▽゜)o (2021年2月21日 15時) (レス) id: 9c488eb26d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かのん | 作成日時：2021年2月17日 8時
