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「…梅雨だねー」
「梅雨だな」
……、
じゃない!!!
ガクゥッ!
そんな効果音が付きそうな位勢い良く壁項垂れる僕
最後に山田太一に同棲の提案をしたのは春
もう季節は夏に移行しようとしていた
流石に強引にいきすぎるとマズいとは思い、アレ以降はその話題に触れないようにしていた
しかし待てど暮らせど返事はなく
気付けばもう梅雨
僕の気分は梅雨以上にじとじとしていた
「あー、何でかねー」
「嫌いなんじゃない?」
「冗談でもやめろよ」
さらっと辛辣な硝子に素で突っ込むが長年の付き合いもあり本人は全く意に介していない様子
嫌われては、ない
これは確信できる
今日だって時間が許す限り、いや許さなくても満足いくまで抱きまくったばかりだ
行為後は疲労困憊であるが、それ事態を嫌がっている素振りはない
山田太一はあんなだから喧嘩にもならないし
基本的に僕が言う我が儘を「しょうがないなあ」って聞いてる感じ………え、もしかして僕が自分勝手すぎるから?!
…いやでも今更だし山田太一に関しては普段僕もここぞとばかりに甘やかしてるし
考え出せば出す程思考がど壺に嵌まっていく
「…あーあ」
山田太一は色々理由を付けて一緒に暮らすことを避けてはいるが嘘を付いているのは明白(嘘を付く時かなり目が泳ぐ)
恐らく明確な理由がある…はず
だが全く心当たりがなく、山田太一は頑なに本当の理由を言おうとはしない
「あんたさ」
…もう強行手段に出るか?と不穏な事を考えている僕の思考を絶ち切った硝子のひと声に項垂れていた顔を上げる
「浮気してたこと、本当に山田太一が吹っ切れてると思ってんの?」
渾身の一撃
言葉に表すとしたらこれだろう
「……お、もってはないけど」
「あの子とあんたの間でどんな話し合いがあったかなんて知らないけどさ…あんたが山田太一を裏切って尚且つ傷付けた事実は変わらないだろ」
「…分かってる」
「いや、本当の意味は分かってないさ」
意味深な言葉に硝子を真っ直ぐに見据える
硝子は知っている
山田太一が拒否し続ける理由を
「山田太一があんたのマンションで浮気相手と出くわしたの、別れた日が初めてじゃないらしいよ」
「………え"」
僕は耳を疑った
…どうか幻聴であれ、と
もしくは硝子の勘違い
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√ - わー!めっちゃすきです! (2021年3月13日 19時) (レス) id: c890e5f159 (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - 舳さん» 嬉しいっ!!ありがとうございます!(´▽`) (2021年2月25日 19時) (レス) id: 9c488eb26d (このIDを非表示/違反報告)
舳(プロフ) - しんどい…語彙力失いましたとても好きですありがとうございますヽ(;▽;) (2021年2月24日 19時) (レス) id: 1f83f3c66d (このIDを非表示/違反報告)
神無月(プロフ) - かのんさん» かのんさんの欲望の塊を楽しみにしてます((( ・`ω・´)キリッ (2021年2月21日 15時) (レス) id: 27e0c87bdc (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - 神無月さん» コメントありがとうございます!これからも欲望のまま書きなぐります!(o≧▽゜)o (2021年2月21日 15時) (レス) id: 9c488eb26d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かのん | 作成日時:2021年2月17日 8時