20 ページ20
▼
「ーーー…ってことで、ヨリ戻ったからー」
「なっにが『ってことで』だ」
色々迷惑掛けたってことで、一応硝子に元に復縁報告をしに訪れた
相変わらずの隈と顔色の悪さでジロリと僕を睨み付けてくるがなんのその
今の僕はそんなのミジンコほども気にならずツヤツヤに機嫌が良い笑顔を硝子に向けている…まあ目隠しで目は見えないが
「山田太一の意思を無視して強引に話しを進めたんじゃないだろうね…と言うよりその当人はどこ行ったのさ。今日仕事だった筈だけど」
昨日、山田太一はかなり酔ってたし純粋に体調を心配して聞いてきたのだろう
「あぁ、山田太一？今は家でぐったりさー！朝までずっとしてたから！」
何を、というのは愚問であろう
ケロッと言った僕を硝子はまるでゲテモノを前にしたかの様に顔を歪めて見る
「いや、本人は頑張って行こうとしてたんだよ？ほら山田太一だし！でも足が笑って…」
「誰がそんなことまで事細かに説明しろって言ったの」
言いながらホッチキスで纏められた分厚い資料を投げつけられるが、山田太一以外の前では殆んど外すことのない無限が例に洩れずそれを阻む
「あんま無理させるんじゃないよ」
「はは、でももう我慢する気はないからねえ」
今迄どれだけ我慢してたか
壊れないように、無理をさせないように
だけどこれからはもうその必要がない
だって２人で呪い合ったのだ
「僕の全部は山田太一に、山田太一の全部は僕に。誓ったんだよね…俺が死んだら山田太一を迎えに行くって」
ニヒルな笑みを浮かべて言うと硝子の表情が僅かに引きつる
自分でも狂っている自覚はある
だが問題はない
山田太一がこの世界にいる限り、僕が暴走することはない
決して
だって彼女が居ると思うだけで世界はこんなにも優しく愛おしくなるのだから
「……山田太一が先に死んだらどうするのさ」
硝子が掌にかいた汗を誤魔化すように握り締める
それこそ愚問だ
「じゃあ僕は、彼女を奪ったこの世界を全部消して彼女のところに行こうかな」
だから、その時はごめんね硝子
そう続けた僕に眩暈を覚えた硝子は倒れない様に机に手を付き身体を支える
硝子の頭の中にはポケーっと寛ぐ山田太一の姿が浮かぶ
「(山田太一…あんたの責任は重大だよ)」
できれば死ぬ迄にこの目の前のアホをどうにかしておいてくれ、と硝子は心の底から願った
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 930人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
√ - わー！めっちゃすきです！ (2021年3月13日 19時) (
レス) id: c890e5f159 (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - 舳さん» 嬉しいっ！！ありがとうございます！(´▽｀) (2021年2月25日 19時) (レス) id: 9c488eb26d (このIDを非表示/違反報告)
舳(プロフ) - しんどい…語彙力失いましたとても好きですありがとうございますヽ(；▽；) (2021年2月24日 19時) (レス) id: 1f83f3c66d (このIDを非表示/違反報告)
神無月(プロフ) - かのんさん» かのんさんの欲望の塊を楽しみにしてます((( ･`ω･´)ｷﾘｯ (2021年2月21日 15時) (レス) id: 27e0c87bdc (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - 神無月さん» コメントありがとうございます！これからも欲望のまま書きなぐります！(o≧▽゜)o (2021年2月21日 15時) (レス) id: 9c488eb26d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かのん | 作成日時：2021年2月17日 8時
