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「大好きですよーって顔に書いてあった」
「…なにそれ」
「逆に自覚がなかったことに驚いたくらいさ」
ニヒルに笑う硝子の目ににその時の僕達はどう映ってたのだろう
自分の気持ちに疎くはないと思っていたが、とんだ驕りだったようだ
もしそうならこんな未来ではなかっだろうから
花子があの頃の様に笑い掛けてくれるにはどれくらいの時間が必要か
だが恐らく時間ではない
これから僕がどう花子に接していくか
その一言に尽きる
二人の今後を話し合ったら際、花子は術師を辞めるもんだと思ってたけどどうやらその気はなかったらしい
前提で話を進めていたら話が噛み合わず二人で首を傾げた
何故続ける必要があるのか恐る恐る尋ねたが濁すばかりで答えてはくれなかった
でも、駄目
あれ絶対駄目なヤツ
絶対離婚した時の資金貯めとこうとしてるから
怖くて本人確認はしなかったが妙な確信があった
「それで、花子の方は術師続けるの？」
「させるわけないじゃん？全力で説得したさ」
「…よく応じたね」
「近所の喫茶店で働くらしいよ」
「かなり譲歩してるけど結局負けてんじゃん」
「……ちょっともうこれ以上嫌われたくない」
「…………そう」
憐れみを込めて返した硝子は、くるりと自分のデスクに向き直り手元にある資料を開いた
どうやら無駄話はこれで終わりらしい
まあ、お互い多忙の身
僕もこの後任務が控えているし、そろそろ先程から鳴る携帯のバイブ音も煩わしい
まだ約束の時間から三十分も過ぎてないのにな、と慌てているであろう伊地知を思い浮かべた
重たい腰を上げて硝子に「じゃ」とひと声だけ掛けて医務室を出る
後ろから「ガンバー」と心の籠っていない激励が聞こえたが振り返りはしなかった
「お帰りなさい」
「たっだいまー」
ギリギリ夕方とも言える時間に帰宅した僕はキッチンで鍋を混ぜる花子に後ろからギュウっと抱きついた
ふわりと珈琲の香りがする
恐らく働いている喫茶店で付いたのだろう
苦いものはあまり好きじゃないが花子から香るこれは中々悪くない、と内心ほくそ笑んだ
「早かったんだね」
「そりゃあ花子が待ってくれてるんだからマッハで終わらせちゃうよ？…今日のご飯何？」
言いながら花子の手元の鍋を覗き込む
「今日はビーフシチューとサラダだよ。あと喫茶店で余ったパンかな、貰ったの」
「いいねえ」
「お風呂沸かしてくるね」
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ksbgtenmushi(プロフ) - すごく好きな作品でいつも続き楽しみにしてます！！是非続編のパスワード教えていただきたいです(o^^o) (2021年5月1日 1時) (
レス) id: e9d7731bcb (このIDを非表示/違反報告)
あずき(プロフ) - いつも楽しく拝見させて頂いてます！！続編のパスワードを教えて頂きたいです。 (2021年4月27日 22時) (レス) id: 1f3621aec0 (このIDを非表示/違反報告)
雪椿(プロフ) - いつも楽しみにしています。続編のパスワードが解けるその日を心待ちにしてます(*^^*)応援してます！ (2021年4月26日 22時) (レス) id: e95a52c7d4 (このIDを非表示/違反報告)
noenatsu(プロフ) - 続きがきになります！パスワードを教えて頂きたいです！ (2021年4月26日 22時) (レス) id: a7d2cd1144 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 続編も楽しみにしていました！ パスワードを教えていただけないでしょうか？ (2021年4月26日 20時) (レス) id: 947d5e398f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かのん | 作成日時：2021年2月26日 0時
