後日談�� ページ38
「そういえば、瑞季術師辞めるらしいよ」
「ふーん」
「ふーんってアンタね…」
偶々行き先が一緒になり廊下を歩いていると思い出したように言った硝子に適当な相槌を打つと呆れた表情を返された
硝子が驚くのは尤もだ
この前まで瑞季にあんなに長年拗らせた片想いをしていたのだ
しかし花子を好きだと自覚した日からまるで目を覚ましたかの様に花子以外へのそういう意味での興味が失せてしまったのだ
今日帰ったら花子とどんな話ししようかなー、何しようかなー、とか端々で考えてる
「何かあったんですか」と聞かれることも多くなった
それがまさかの恋煩いなどとは誰も思うまい
「あー、今日はもう帰ろっかなあ」
良い天気だしどっか一緒に出掛けたいな、とか思いながら空を仰ぐ僕に硝子は溜め息を吐く
「まだ午後にもなってないけど？…大体帰って何するのさ」
「え？花子と話してー、ヨシヨシしてー、ギューってして癒して貰おうと思って！」
「…はあ？」
語尾にハートが付く勢いで言うと硝子が驚きに目を見開いた
いつも眠そうな瞳がここまで開くのを久々に見る
「あれ？言ってなかったっけ？また一緒に暮らし始めたんだよねー、花子と。ま、試用期間みたいな感じ」
「何それ…」
「好きだって言ったんだけど信じてくれなくてさー。今、信用回復期間」
「…てかよくそれで纏まったね。前花子と会った時はどうにもならなそうだったけど」
痛いとこ付いてくるなー
まぁ、僕も少しダメかもって思ったくらいだしな
丸っきりではないにしても、花子から感じる僕への感情は殆んど情に近いもので以前のような愛情を感じることが出来なかった
それもしょうがないことだろう
初めてすがってきたあの手を…僕は意図も容易く振りほどいたのだから
「…あー…過去に戻りたい」
そしたらデロッデロに甘やかして僕しか見えなくするのに…
ああ…警戒心MAXの現状が辛い
「…ま、見限られないように精々頑張るんだな」
「マジ今それ洒落にならないから。ってか意外と驚かないね」
「何が？」
「僕の心変わり」
言うと硝子は、あーと口許に手を当て考える素振りをする
「何となくそうかなとは思ってたからさ。瑞季さんが結婚しても関係続けてたから…それ以前にアンタと花子が一緒にいる所も見たことあるしね」
「え、何か変だった？」
「そーだねえ」
硝子はこっちを見ながらニヤッと笑い僕を指差し口を開く
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ksbgtenmushi(プロフ) - すごく好きな作品でいつも続き楽しみにしてます！！是非続編のパスワード教えていただきたいです(o^^o) (2021年5月1日 1時) (
レス) id: e9d7731bcb (このIDを非表示/違反報告)
あずき(プロフ) - いつも楽しく拝見させて頂いてます！！続編のパスワードを教えて頂きたいです。 (2021年4月27日 22時) (レス) id: 1f3621aec0 (このIDを非表示/違反報告)
雪椿(プロフ) - いつも楽しみにしています。続編のパスワードが解けるその日を心待ちにしてます(*^^*)応援してます！ (2021年4月26日 22時) (レス) id: e95a52c7d4 (このIDを非表示/違反報告)
noenatsu(プロフ) - 続きがきになります！パスワードを教えて頂きたいです！ (2021年4月26日 22時) (レス) id: a7d2cd1144 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 続編も楽しみにしていました！ パスワードを教えていただけないでしょうか？ (2021年4月26日 20時) (レス) id: 947d5e398f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かのん | 作成日時：2021年2月26日 0時
