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別れを切り出すと当然だが悟は驚き目を見開いている


「……ごめん、今日のこと怒ってんの?」


窺うように言われた言葉にゆっくりと首を横に振る

…怒りはない。ただ少し悲しかっただけ



「じゃあどうして急にそんなこと言うわけ?」

「どうして…かな」


確かに今更だった

悟の気持ちがどこに向かって誰のものかなんてとっくにしっていたし、それでもいいからと付き合い始め結婚したのは自分だ

それでもその偽りの関係にすがったのは…


「もしかしたら…明日があるかもしれないって、そう思ってたからかな…」

「…どういうこと」

「ううん…これは私の問題だから」

「それで納得できるわけねぇだろ」


悟からはピリピリと肌を刺す程の怒りを感じる

話しながらも悟は腰を上げゆっくりとした動作で私を見下ろすことの出来る位置に立つ


「大丈夫だよ…私と悟が離婚してもお姉ちゃんには家から手出しさせない」

「…っ、今瑞季は関係ないだろ」

「あるでしょう?」


はっきりと言いその綺麗な瞳を真っ直ぐに見ると、悟は口をつぐみ視線を逸らした

このまま目を瞑っていれば良かったんじゃないかと、何度も醜い私が囁く


…そうだね、ずっといたかった


ずっとこの与えられた偽りのぬるま湯の中に浸っていたかった

確かに愛はないけど


彼の傍にいられて、幸せで




でも、だからきっと

私はこれからも愛されることはない



求めてばかりで、まるで幼い子供のように


私は私が大嫌い


不幸面ばかりが一丁前の自分が大嫌い

嫌いで嫌いで…ーーー



だから気が付いた





「私は狡いから…知らない振りしてただけ。利用されてもいい…だから、傍に…」



立場なんて関係ない




姉は姉であるから愛されている

私は私だから愛されない


…知っていたのに




なのに、すがって引き留めようとした

そんな自分が許せない






「もういらない…」





貪欲に求め続ける私はただただ愚かで、醜かった




「ごめん…ごめん悟、縛り付けて…ごめんなさい…」









もう明日なんていらない

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ksbgtenmushi(プロフ) - すごく好きな作品でいつも続き楽しみにしてます!!是非続編のパスワード教えていただきたいです(o^^o) (2021年5月1日 1時) (レス) id: e9d7731bcb (このIDを非表示/違反報告)
あずき(プロフ) - いつも楽しく拝見させて頂いてます!!続編のパスワードを教えて頂きたいです。 (2021年4月27日 22時) (レス) id: 1f3621aec0 (このIDを非表示/違反報告)
雪椿(プロフ) - いつも楽しみにしています。続編のパスワードが解けるその日を心待ちにしてます(*^^*)応援してます! (2021年4月26日 22時) (レス) id: e95a52c7d4 (このIDを非表示/違反報告)
noenatsu(プロフ) - 続きがきになります!パスワードを教えて頂きたいです! (2021年4月26日 22時) (レス) id: a7d2cd1144 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 続編も楽しみにしていました! パスワードを教えていただけないでしょうか? (2021年4月26日 20時) (レス) id: 947d5e398f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かのん | 作成日時:2021年2月26日 0時

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