転生した幻王様と剣武魔神！ｰ特別集Ⅱｰ (ページ12)

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SABU ⅥⅩⅠ：懐かしき夢 EpⅣ ページ12

後日、異変が起きた。

輪廻の脱出と極妖怪の放出。

輪廻が、極妖怪の封印を解いた。

私と先代閻魔大王とぬらりひょんは、
極妖怪と輪廻を止めようとした。

剣武魔神とリリィ、幻魔幻獣は、
私の力で幻王宮殿にいる。
出られないようにして。

だが、
輪廻と極妖怪は強力だった。

そのせいで、私達は負けるのを察してしまった。
諦めようとしたその時、
リリィの力なのか、私は幻王宮殿にいた。

リリィは、輪廻の所へ移動していた。

そして、

私は見てしまった。

この目で。

リリィが死んでいくのを。

一瞬、何が起こったのかわからなかった。

心臓が止まった様に思えた。

目の前で敵の手に付くのは未だしも、

目の前で散り果てていくのは……。

私はショックのせいなのか、気を失った。

私が目覚めた時、既に極妖怪達は牢に戻されていた。

だけど、私は『リリィ』と云う存在を知った。

知って、目の前で散っていった。

だから、少しも嬉しい気持ちは無かったのかもしれない。

その時から、私は心も冷たくなった。

剣武魔神にも、みんなにも、冷たく接して。

そのせいなのかも知れないな、朱雀が『幻王ちゃん』と言った時、本当にムカついたのは。

……いや、これは普通に今でもムカつくな。
後で絞めよう。
うん、そうしよう。

そして、何十年経っても、私の心は凍てついていた。

朱雀が剣武魔神に戻った時も。

空亡が討たれ、神話が“一時的に”終わりを告げた時も。

転生戦争が始まる少し前も。

空亡が復活すると確信した私は、戦争の準備を進めていた。

その時期は、あまり剣武魔神や幻魔にも話しかけていなかったな。

だからか、皆が1人で行動していた。

私のせいだとはわかっていた。

だけど、戻る事が出来ずにいた。