第38話_______… ページ40
国王モテてたんかい。想像できませんわ。
一人でツッコんでいると、ジョウロを持ったフジさんが、こちらを振り向いた。
「緑川さん。さっきからすごい難しそうな顔してるけど、悩み事?俺で良かったら聞こうか?」
と聞いて来た。
さ、さすが母さん…!!気が付いてくれたか…!!
「お前が悩むことなんてねぇだろ。」
チッ。こいつは駄目だ。あてにならん。
フジさんだけチョイチョイ、と、木の方に手招きする。
「フジさんて、女性に興味がなく、男の人が好きなんですよね。」
そう聞くと、彼は、林檎の木に盛大に頭をぶつけた。
キヨから聞きました、と言うと、フジさんは、芝生の上にあぐらをかいていたキヨを
物凄い勢いで蹴り飛ばして、またこちらに戻って来た。
「いい?緑川さん。キヨは嘘しか言わないから。俺はソッチ系じゃないから。
健全に女性に恋をするから。勘違いはしないでね。」
あっ、そうなんだ。
まあ、フジさんが頼りになることは間違いないし。
おずおずと、話しかけた。
「あ、あの、ですね。フジさん。」
「うん。どうしたの?」
スッと息を吐いて、話し出す。
「最近、ある男の人を見ると、
その人の行動を追ってしまったり、その人が何を見ているのか気になったりして…
話しかけられただけで緊張したり、その人の喜ぶ顔がもっと見たいって思ったり…
顔が熱くなったり、私が私じゃないみたいな…
こ、これって私、何かの病気にかかってしまったのでしょうか!?」
全て話した。今も、その人の話をしただけで、心臓がうるさい。
これは、何かの病気だ、と、本気で調べてみたものの、当てはまるような病気は見つからない。
頭のいいフジさんなら知っているかな、と思い、今日はお城に来た。
………が、フジさんの顔を見ると、顔を赤くしており、
でも、喜んだように私を見た。まるで、私の子供が成長した!とでもいうように。
「落ち着いて聞きなさい。緑川さん。」
「は、はい。」
口調までお母さんに!?
「それはあなた、その男の人に『恋』をしていますね。」
思考が止まって、十秒、二十秒、三十秒。
退屈そうにしていたキヨが話し掛けてきたのと同時に、大声で叫んだ。
「うるせえな!!どうした!?」
キヨが、耳を塞いで怒っている。
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すずみね - 更新がなくなってから影葉さんをずっと忘れられなくてまた来ちゃった...！また影葉さんの作品が見たいです！影葉さんがお元気でいられていることを願います。 (2020年4月21日 18時) (
レス) id: ca293ea056 (このIDを非表示/違反報告)
夜猫 - これ、前に読んでからすっごい読みたくなってて、でも作品の名前忘れて見れなかったから見れて嬉しい… (2018年4月8日 7時) (レス) id: c27b932811 (このIDを非表示/違反報告)
あんず - 逆に作者の窓になるまで「こーすけ」が「ヒラ」って気づかなかった( 。∀ ﾟ) (2018年4月6日 23時) (レス) id: b44d4e70a8 (このIDを非表示/違反報告)
蒼月桜奈(プロフ) - 普通にこのぱーかーのこヒラじゃない？と気づいた笑 (2018年4月3日 0時) (レス) id: a7c0f853f1 (このIDを非表示/違反報告)
夜猫 - 兎の時でヒラだって気付いたw (2018年2月3日 3時) (レス) id: c27b932811 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：影葉
| 作成日時：2015年10月23日 18時
