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＊
「飲みすぎた」
お開きになった後、ふらふらと大吾さんが近寄ってきた。
「大丈夫ですかー？もう」
そりゃ詩織ちゃんの代わりにあんなに飲んでたら、そうでしょうね。
なんてかわいくなさすぎる嫌味を喉元でこらえて、ペットボトルのお水を渡す。
なんとなく一緒に歩き出したけど、どうしよう。
「なんか…A機嫌悪ない？」
大吾さんはわたしのほっぺをむぎゅっと摘む。
「別にそんなことないです」
そんなムスッとした顔してたかなって不安になって手を振り払う。
「あれ、誕生日プレゼント、ありがとうって言おうと思って」
大吾さんが夜空を仰ぎながら言う。
「なんかよさそうなボールペンやん。社会人っぽい」
わたしの方を見てにこっと笑う顔は、なんか悔しいけどかわいくて、喜んでくれたのかなって安心する。
もちろん、使えそうなものってなんだろって少ない脳みそで考えて、ボールペンにしたけど、
「またいつか…書いてくれたらなって、歌詞」
こっそりこめた小さな希望が唇からこぼれた。
「大吾さんのノート、単語とか情景ばっかり書いてあったから」
綺麗な字の隙間に書き殴ったように記されてた、歌に出てきそうな擬音語や単語を思い出す。
「うっわ、勝手に見んな」
唇を尖らせて照れくさそうにそっぽを向く横顔。
ギターの音と、優しい声と、胸が苦しくなるような繊細な歌詞。
わたしの大好きだったもの。
また、いつか…もう一回、大吾さんの君になれたりしないかな…
わいてきた感情にハッとして、どうしたらいいかわからなくなって思わず立ち止まった。
「A？」
大吾さんが振り返って、不思議そうにわたしを見つめてる。
「どうしたん？」
大吾さんは、お酒のせいなのか子供みたいにふにゃっと笑う。
「なんでも…ないです」
長い睫毛に縁取られたくりっとした瞳に吸い込まれそうになる。
きっと、これもお酒のせい。
わたしはそう心の中で唱えてふいっと目をそらした。
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Bear(プロフ) - 最後に涙腺が崩壊しました。こんなに最高な作品にはしばらく会えなそうです (2021年12月14日 22時) (
レス) @page45 id: 3daf0f2645 (このIDを非表示/違反報告)
むたむた - どんでん返しに泣きました。夜通し読んじゃいました。ステキな作品をありがとうございます！！！ (2021年6月3日 4時) (レス) id: 738b505511 (このIDを非表示/違反報告)
林芽亜里 - 一気に完結まで読み尽してしました！！もう素晴らしすぎて(*´∇｀*)最初は、正門くんとハッピーエンドを迎えると思っていたけど、大吾くんと最終的に結ばれて、思ってもいない展開でビックリしました(^｡^)幸せな時間をありがとうございました(#^.^#) (2020年5月27日 22時) (レス) id: 9f77b0a91a (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - もう最高でした！！大好きなまさにしのお話ってだけでも嬉しかったのにこんな素敵なお話、もう最高すぎました！この作品の大ファンになりました！！楽しい時間をありがとう！また書く機会があったら楽しみにしてます！！ありがとうございました！！ (2020年4月26日 19時) (レス) id: db8a594314 (このIDを非表示/違反報告)
はつね(プロフ) - 初めは正門くんとエンド迎えるんかなって思ってたんですけど最後西畑くんと幸せになっててびっくりとよかったなって涙出ました！！ (2020年4月15日 23時) (レス) id: ee2a92e956 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華音 | 作成日時：2019年5月16日 22時
