104＊Daigo Side ページ11
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「まだAさんのこと好きなんですか？」
デート中の些細な言い合いの最中に、詩織ちゃんの口から出てきた言葉が、脳内で反芻される。
「もうこんなに一緒にいるのに、それでもわたしじゃダメですか？」
目の前で涙をためる詩織ちゃんに言い返す言葉をなくして、結局こじれたまま。
誰も傷つけへんように慎重に閉じ込めて、蓋をして、時間が経ったら消えるやろうって思ってたのに。
ほんまに女の子の涙は何回見ても苦手や。
昼飯すら買いに行く腰が重くて、はっすんに無理矢理押し付けてしもた。
さっきから卒業論文を目の前のパソコンに打ち込む指は止まったまま、ため息をついて机にうつぶせた。
「大ちゃーん！ご飯買ってきたで！」
はっすんが戻ってきたらしい。
はっすんは特に深入りして聞いてくることもなく、いっつも明るいし、単純に一緒にいて楽な奴でこういう時は逆にありがたい。
「ありがとー」
顔をあげると、見たことあるロングスカートが目に入った。
なんで、悩みの種の張本人おんねん。
「喧嘩しちゃったんですか？アドバイスしますよ？」
Aは涼しい顔でにこにこ聞いてくる。
Aへの俺の気持ちを彼女に疑われて困ってるって言うても、ほんまにアドバイスしてくれるんやろうか…なんて意地悪なことを考えてしまう。
迷惑な話やんな。Aには関係ないもん。
「なんでAなん？」
「え…？」
つい心の声が口に出てたらしくて、ぽかんと口を開けるA。
ふわふわ揺れる茶髪の先を辿ると、いつもきらきらしてたダイヤのネックレスはもうないのに。
「なんでAなんやろ…いやや、もう」
正門はこんなにずっと俺が欲しいものをさらっと手に入れて、でも手放した。
背中を押したのは俺やし、2人にもいろいろあったの知ってるくせに、こんな時まで嫉妬して最悪すぎる自分を、
無理矢理シャットアウトするみたいに俺はそっと目を閉じた。
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Bear(プロフ) - 最後に涙腺が崩壊しました。こんなに最高な作品にはしばらく会えなそうです (2021年12月14日 22時) (
レス) @page45 id: 3daf0f2645 (このIDを非表示/違反報告)
むたむた - どんでん返しに泣きました。夜通し読んじゃいました。ステキな作品をありがとうございます！！！ (2021年6月3日 4時) (レス) id: 738b505511 (このIDを非表示/違反報告)
林芽亜里 - 一気に完結まで読み尽してしました！！もう素晴らしすぎて(*´∇｀*)最初は、正門くんとハッピーエンドを迎えると思っていたけど、大吾くんと最終的に結ばれて、思ってもいない展開でビックリしました(^｡^)幸せな時間をありがとうございました(#^.^#) (2020年5月27日 22時) (レス) id: 9f77b0a91a (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - もう最高でした！！大好きなまさにしのお話ってだけでも嬉しかったのにこんな素敵なお話、もう最高すぎました！この作品の大ファンになりました！！楽しい時間をありがとう！また書く機会があったら楽しみにしてます！！ありがとうございました！！ (2020年4月26日 19時) (レス) id: db8a594314 (このIDを非表示/違反報告)
はつね(プロフ) - 初めは正門くんとエンド迎えるんかなって思ってたんですけど最後西畑くんと幸せになっててびっくりとよかったなって涙出ました！！ (2020年4月15日 23時) (レス) id: ee2a92e956 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華音 | 作成日時：2019年5月16日 22時
