今日:31 hit、昨日:5 hit、合計:214,550 hit
小｜中｜大
25 ページ25
＊
「ほんま…ごめん」
「いや、わたしの方こそごめんなさい、最初から言われた通り帰ればよかったのに…」
タクシーを待ちながら、ふらふらの正門さんにペットボトルのキャップを開けて差し出す。
「正門は俺が送ってくから、A、先帰り」
大吾さんが正門さんを支えながら止めたタクシーを指差す。
「…でも」
「ええから、Aがちゃんと帰らなこうなった意味ないやろ」
大吾さんの正論に返す言葉もない。
「俺もほっといてごめん、着いたら連絡してや」
大吾さんはわたしの背中を押すと不甲斐なさそうに目尻を下げた。
何かできることをと思ったけど、
裏目にでちゃったんやな…
なんだって正門さんのためになるならと思ってやってきたけど、
それも元を正せばわたしのエゴで
これからは正門さんの足枷になってしまうこともあるんやろうか…
タクシーの窓から見えるネオンも罪悪感でぼやけてる。
こんなときでも必死にわたしをかばってくれた正門さんの優しさに好きだななんて思ってしまって、
ほんまにいやになる。
正門さんと正門さんの音楽だけの世界にいたい…
エゴまみれの気持ちをどうしていいかわからない…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 423人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みぃ - N.Dormitory から読んでました！面白かったです！ (2019年9月6日 22時) (
レス) id: 5f0045d6aa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：華音 | 作成日時：2019年4月7日 21時
