君へのSong (ページ43)

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43＊Daigo Side ページ43

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「大吾さーん！帰るんですか？ごはん食べましょうよー」

日本文学の授業を終えて、荷物とまとめているとAが前に立っていた。

正門とのあの日以来、なんとなくAに会いたくなくて、シフトも被らんようにして、今日もわざわざ隣が空いてない席に座ったのに…

って思いつつ俺のこと探してくれたんやろかってちょっと嬉しくもなる。

「まぁええけど、カフェテリアいく？」

すっかり寒くなって外では食べれへんしな。

「うーん、騒がしいからここで食べましょ！」

Aは風邪もすっかりなおったみたいで、にこにこ笑いながら隣へ座る。

俺が構内でてきとうな弁当を買って戻ってくると、Aは

「じゃーん！これあげます」

と得意げにA4くらいの袋を渡してきた。

「何？過去問なら持ってんで俺」

「ちがいますよ！バイトいっぱい代わってもらったのになかなかお礼言えんかったなって思って」

中身を開けると、

「えっ？まじ？」

もうすぐ公開される二宮くんの映画のムビチケと特典の限定ファイル。

なかなか手に入らへん品物に、思わずテンションがあがって頬が緩む。

「いやーもう！めっちゃ駆け回りましたよ！まぁそういう情報調べるんは得意なんで！」

Aは俺が喜んでんのがそんなに嬉しいんか、目をキラキラさせながら笑ってる。

やっぱかわええななんて思ってしまって、

「…ありがと！」

胸が揺さぶられるみたいな変な感覚。

「大吾さん喜んでくれてよかったー！でも本当ありがとうございました」

Aは大袈裟に頭を下げると、昼食を広げはじめる。

おにぎりにイレブン飲料のホットティーは絶対合わへんと思うねんけどな。

「すごそうやな。CMの反響」

ペットボトルに貼られたキャンペーンシールに書かれてる「CMテーマソング配信中」の文字を見ながら思わず声が漏れる。

「ね！ネットニュースみました？ダウンロードサイト、メジャーデビュー前なのに1位！」

「みたよ。ほんま、正門大きなったんやな…」

別の記事で、『CM中に映り込むイケメンギタリストが話題』『女子の中で話題沸騰中！』みたいなチャラチャラしたやつもみかけて途中で調べるんやめたけど。