騒がしい朝 ページ14
カーテンの隙間からさす陽の光で気がついた。自分がすっかり眠ってしまっていたことに。
そしてさらに気付いたが、どうやら私は足だけ座布団に座る形で乗せて、そのまま上体を後ろに倒す形で寝ているようだった。
何だこれは。無駄に器用だな。
そのまま視線を隣にずらすと、総悟の姿があった。
日差しに照らされ、彼の色素の薄い睫毛が輝きながら揺れていた。
その視線はどうもゲーム画面に向いているらしかった。まさか一晩中やっていたのだろうか。
彼の赤みがかった瞳がふとこちらを向いた。
「お、起きたねィ」
「ん。おはよう。私いつから寝てたの」
「3時すぎたあたりから訳わかんねぇこと喋りだしたんで、そっからでィ」
「え、訳わかんないことって何」
「ハンバーグの作り方」
「それはだいぶ訳わかんなすぎる!!てか何でハンバーグ!?」
唐突にも程があるでしょうよ!それにそもそも私ハンバーグ作れないし!!
「なんかミミズを用意するとか言ってやしたぜィ」
「そんなのゲテモノじゃないの!!誰も食べれないヤツじゃないの!!」
「俺に言われても。自分で言ってたんだろィ」
意識がほとんど無いにしても酷すぎる独り言だ。
総悟に「いつまでもうだうだ喋ってねぇで、顔でも洗って来やがれィ」と言われた。やけに押しが強いな。
その理由は洗面台の鏡の前に立った時に理解できた。
鏡の中に映っていたのは、落書きでめちゃくちゃになった私の顔だった。
「――――――ッ総悟ォォォォ!!!!」
朝10時。私の怒号はマンション中に響き渡った。
「何してくれてんのよ!!」
「俺が頑張ってるのに、ぐーすか寝てるからでィ」
「にしても限度があるでしょうが!!額に『肉』とかだけにしときなさいよ!!何コレ!顔中ぐちゃぐちゃじゃないの!!」
「騒いでねぇで洗ったらどうなんでィ」
「え、うん――――――ってこれ油性じゃないの!!」
「ヘヘッ」
「満足げに笑ってんじゃないよ!!!」
その後、流石に洗顔用の石鹸を貸してくれたが、それでも薄く線の跡が残っていたので、朝食は総悟に買いに行かせた。
いろいろと満足したのか、これはすんなり請け負ってくれた。だからと言って許す訳じゃないけど。
そんな感じで、2日目、スタートです。
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mire(プロフ) - 桃香さん» コメントありがとうございます!私も書くのが楽しみです!!その前にもうワンクッションあるので、そちらも楽しんで頂ければありがたいです。 (2018年8月21日 0時) (レス) id: f57da4a873 (このIDを非表示/違反報告)
桃香(プロフ) - 温泉んんんんん?!2人で?!楽しみ! (2018年8月18日 16時) (レス) id: f6fc303306 (このIDを非表示/違反報告)
mire(プロフ) - みやさん» ありがとうございます! (2018年7月12日 17時) (レス) id: f57da4a873 (このIDを非表示/違反報告)
みや - めっちゃおもしろいです ! 続き楽しみにしてます!! (2018年7月10日 1時) (レス) id: b183abc241 (このIDを非表示/違反報告)
mire(プロフ) - 茉優さん» こちらこそコメントありがとうございます!こちらの作品でもよろしくお願いしますm(_ _)m (2018年6月14日 17時) (レス) id: f57da4a873 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mire | 作者ホームページ:http://id27.fm-p.jp/456/0601kamui330/
作成日時:2018年6月13日 17時