今日も今日とて推しが尊い 2 【影山飛雄】

79.死因:尊死 ページ29

そのまま流れ解散となった大部屋はみんな各々の部屋へ戻って行った。







そして同じように部屋に戻った私は引き寄せられるように愛しのお布団に入った。








…そういえば合宿期間中、1度も推しの尊さを叫んでないな。







いや、まぁ仁花ちゃんと潔子先輩がいる中いくら私が影山くんを推していることを知っていたとしてもいきなり叫び出したらびっくりするだろうし、引くだろう。そして、私は頭逝ってると思われそのまま病院行きにされ、みんな離れていってしまうだろう。







うん、だから自制はしている。








あっ、じゃあせめて心の中で叫んどくか。








…この3日間で起きた推しの尊い出来事…。







…隣で寝てた影山くんの寝顔が尊かった…赤面も拝めた…寝起きで機嫌悪そうな顔も堪能した…。







え、私この合宿でよく尊死してないな？
死因:尊死 でもおかしくないよこんな出来事。








『(はぁ〜…どれも尊すぎたなぁ)』








そう、尊かったのに変わりはない。変わりはないのだけれど、それ以上に思い浮かぶ出来事があった。






そしてその出来事を思い出しては身体中が熱を帯びる。








寝癖を見られたと同時に前髪を触られた時、名前を呼ばれた時、そして今日の手繋ぎ命令(握手だったけど)。







3日間で起きたこの3つの出来事は、またもや私を不眠にさせる原因になっている。







『(やばいやばいやばい…寝れない…!!)』







いつの間にか電気も消えていて隣からはすーすーと寝息が聞こえていた。







絶対に疲れているのに、何故か目が冴えてしまっている。








いや、何故かだなんて誤魔化さない。私は自分に正直に生きているからな(どや)








…分かっている、影山くんを推し、とは別の意味で意識してしまっていること。









『(あああああでも違うんだって、推しなだけでそういう訳じゃ…!!)』








だけど、認めたくない、認められない自分がいる。







結局、3日目の夜も良く眠れなかった。

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