苦労人の恋愛 2 【赤葦京治】

苦労度82% ページ35

あれから駅まで行き、電車で6駅。



電車は浴衣姿の人達が沢山いて、花火大会はもう既に盛り上がっているようだ。



人が多すぎて、電車の中が満員状態で、人に押されそうになったが、赤葦がガードしてくれている。



私も身長は高い方だが、12cmも違うし、男子だと体格も違う。赤葦は、ドア側に私を寄せてくれている。



まぁ、つまり、あれは多分壁ドンという状態。
変にキュンキュンさせられてしまっている。
…。




そんな赤葦のことを見つめながら、赤葦の浴衣姿も見たかったな…。なんて、ちょっと残念に思う。




赤「A…俺になんかついてる？」




『？！いやぁなんも？！』




話をかけられ、随分と顔の距離が近いことに気がついた。焦って顔を横へ向ける。



顔の距離感や、大声を出しすぎてめっちゃ周りの人に見られた恥ずかしさで顔がまたまた熱くなる。




「つぎは〜○○川〜○○川〜お出口は〜…」




出口はこちら側だ。




これは押し寄せが来る予感…。




駅に着き、ドアがピンポーンという効果音と同時に開く。その瞬間、案の定すごい勢いで押される。




幸い、背が高いから揉まれることは無いが、圧で潰れてしまいそうだし、下駄が脱げてしまいそうだ。




赤「A」




名前を呼ばれ、手を取られた。




え、え。




そのまま引っ張っていってくれた。



握られた手から体中がさらに熱くなる。いや、暑さでやられているのか、それは分からない。



だけど、ふとした時見た赤葦の顔も少し赤かったのは多分気のせいじゃないと思う。

苦労度83%→←苦労度81%

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す