____…第41話…____ ページ41
朝食時、フジさんとキヨが顔を見合わせて、眉間にしわを寄せていた。
「……ねえ、緑川さん。」
フジさんに呼ばれ、はい、と返事する。
そして、キヨは、私の隣でガツガツとご飯を食べるレトルトさんを指差した。
「なんでコイツがいんの………?」
まあ、そうなるよね。
「昨日、レトルトさんが私の部屋に来て……この人、ベッドでそのまま寝ちゃったんですよ。
だから、私は床で寝ました。」
レトルトさんに、「女を床で寝せてんじゃねえよ!!」と怒るキヨ。あらやだ格好いい。
怒ったキヨが殴ろうとしても、椅子に座りながら避けるレトルトさん。
すごい。大振りなキヨのパンチに対して、無駄な動きが一切ないレトルトさん。パンチ避けの達人…!?
そして、サラダを食べながら、レトルトさんはゆっくり目を開け、立ち上がる。
胸に手を当て、紳士のようなお辞儀をした。
「先日は、大変失礼致しました。あなた方に多大なご迷惑をおかけした事、心よりお詫び申し上げます。」
脱いだシルクハットを、胸に当てるレトルトさん。彼のふわふわな茶髪が揺れた。
二人は瞬きを繰り返し、顔を見合わせる。
そして、フジさん微笑み、キヨは腕を組んだ。
「誰も怒ってないので、顔を上げて下さい。」
「許さんでもない。」
ゆっくり顔を上げたレトルトさんは、ズビッと鼻をすすった。
そして、私に近付き、「Aちゃんとこの仲間、むっちゃええ奴らやん…!!」と感動していた。
「ヒラくんも、本当ごめんな!!『人殺し』なんて、嘘だからな!?」
いつも通り、静かに食事をする国王の方を向いた。
国王は、笑顔で「気にしてないから大丈夫」と言った。嘘つけ。バリバリ気にしてたやんけ。
ていうか、いつもより、国王の笑顔がすごい気がする。
「キヨー。仕事するよー。」
「うおおお!離せフジ!!俺は遊びに行くんだー!!」
フジさんにズルズルと引っ張られ、キヨは大声で私に助けを求めて来たが、無視した。
「私も、書類片付けて来ます。」
そう言って立ち上がると、可愛らしい国王2人に「頑張ってね〜」と笑顔で手を振られた。
い、癒される…国王ってのは、子供っぽくて可愛い人が多いのか…!?
心がポカポカした所で、食堂から出た。
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あみ - 本編最高すぎてこちらも読ませていただきましたが、、、いや本当に神です以上！！(?)本当に好みというかなんというか。ヒ.ジ.キ.の小説で一番好きかもしれません。こ.ーす.け.をのけ者扱いにしているような小説が多いイメージがあったので。この小説が本当大好きです！ (2021年7月25日 14時) (
レス) id: 2c5fd51ba4 (このIDを非表示/違反報告)
みー - すごく、すごく良かったですっっっっっ...！(大号泣) (2019年11月22日 7時) (レス) id: 7c0d6b05b3 (このIDを非表示/違反報告)
かえで@utaitelove(プロフ) - もう最高です…！！感動したと思ったら次はキュンキュンしてほんと私の心臓どうしてくれるんですか！影葉さん最高です( ；∀；)他の作品も全部読ませて頂きましたがほんとに天才ですね！？これからも頑張ってください (2019年1月1日 21時) (レス) id: a0615ac09b (このIDを非表示/違反報告)
アンジ* - 今になってもずっと読んでます！狂った国の王子様、こーすけが出てきたシーンで大号泣してしまいました。番外編、ぜひ読みたいです！影葉さん、感動をありがとうございました！ (2018年8月20日 20時) (レス) id: a0d4f82c90 (このIDを非表示/違反報告)
夜猫 - ヒラ可愛い！死にそう！ (2018年2月3日 5時) (レス) id: c27b932811 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：影葉
| 作成日時：2015年12月5日 14時
