____…第40話…____ ページ40
「まあフラれてもええけどー。どーせAちゃんは、ヒラくん大好きやもんなー。」
「んっ!?なんで知って……!?」
「うちの優秀なハッカーくんが、『多分、緑川はヒラくんが大好き』って言っとったよ。」
つわはす、てめぇいつか殺す。
無表情で何を考えているのかと思えば………
なんで知ってるの?私、そんなに態度に出てたかな!?
「くくっ……フジ君はキヨくんを応援してるみたいやなぁ……俺はAちゃんを応援するで!」
楽しむような黒い笑顔のレトルトさんは、私の肩をポンッと叩いた。
何を言っているのかさっぱり分からないが、とりあえずお礼を言っておいた。
応援かぁ……
「ん?ため息なんかついて、どないしたん?」
「いや、本当……国王に、女として見てもらいたいな、と思いまして……」
シンッ…と静かになった部屋に、レトルトさんの苦笑い。
「あー…恋とかそういうの、鈍そうやもんなぁ。ヒラくん。」
「生まれてから今まで、一度も女の子に興味を持ったことがないそうです……」
「!?嘘や!!そんな男 存在する訳ない!!ヒラくんの部屋行ってみ!!絶対えろ本の1冊や2冊転がってるから!!」
それはそれで嫌です。
……本当に転がってたらどうしよう。
「絶対にあり得ません。国王は純粋です。」
「いいや!!『えろ本が無いと男は死ぬ』ってPｰPが言っとったで!!」
うわあ…PｰPさん……真面目で笑顔のステキな好青年だと信じていたのに……
笑顔の奥にはそんな事を考えていらっしゃったのか……
そして、少しの静寂のあと、頭に何か乗った。
「ま、大丈夫やって!元気出しや!!もしフラれたら、俺んとこに来い!!そして結婚しよう!!」
暖かい、レトルトさんの手だった。
顔の横にピースサインを作り、ニコニコ笑う。
…なんか、元気出るなぁ。国王と似ているけど、どこか違う安心する笑顔。
「…ありがとうございます。国王に好きになってもらえるように、頑張ります。」
よしよし、と撫でられる。
その時、急にレトルトさんの動きが止まった。
「どうしたんですか」と聞こうと口を開くと、「しっ」と口に指を当てられた。
そして、何かを怖い顔で睨み付け、走り出した。
物凄い勢いでドアを開くレトルトさん。え、え?
訳が分からず固まっていると、しばらくして、彼は静かに扉を閉めた。
「…ごめん、Aちゃん。」
「は、はい?」
「……今の、一番聞かれちゃマズイ人に 聞かれちゃったかも………」
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あみ - 本編最高すぎてこちらも読ませていただきましたが、、、いや本当に神です以上！！(?)本当に好みというかなんというか。ヒ.ジ.キ.の小説で一番好きかもしれません。こ.ーす.け.をのけ者扱いにしているような小説が多いイメージがあったので。この小説が本当大好きです！ (2021年7月25日 14時) (
レス) id: 2c5fd51ba4 (このIDを非表示/違反報告)
みー - すごく、すごく良かったですっっっっっ...！(大号泣) (2019年11月22日 7時) (レス) id: 7c0d6b05b3 (このIDを非表示/違反報告)
かえで@utaitelove(プロフ) - もう最高です…！！感動したと思ったら次はキュンキュンしてほんと私の心臓どうしてくれるんですか！影葉さん最高です( ；∀；)他の作品も全部読ませて頂きましたがほんとに天才ですね！？これからも頑張ってください (2019年1月1日 21時) (レス) id: a0615ac09b (このIDを非表示/違反報告)
アンジ* - 今になってもずっと読んでます！狂った国の王子様、こーすけが出てきたシーンで大号泣してしまいました。番外編、ぜひ読みたいです！影葉さん、感動をありがとうございました！ (2018年8月20日 20時) (レス) id: a0d4f82c90 (このIDを非表示/違反報告)
夜猫 - ヒラ可愛い！死にそう！ (2018年2月3日 5時) (レス) id: c27b932811 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：影葉
| 作成日時：2015年12月5日 14時
