____…第38話…____ ページ38
フジside
お風呂から上がり、部屋着を着る。
ふっふっふ。ヒラの使っているシャンプーが分かった。『IVANKA バブルイン』だった。
1本5万円なんて 超高級なのを使っちゃって……お金をもっと別の所に使いなさいよ。
しかも、最近発売されたばかりのやつだし。
あれを使えば、ヒラみたいなサラッサラの髪の毛になれるのね。でも、勝手に使うと怒るだろうなぁ。
…ヒラが、そこまで髪の毛にこだわりがあったとは知らなかった。
鏡の前に立ち、濡れた自分の髪の毛を触った。
うーん…俺、昔から「ふわふわしてる」とか「猫っ毛だね」って言われるからなぁ。
サラサラは諦めた方がいいのかなぁ………
自分で言って悲しくなって来たので、考えるのをやめた。
しずくが滴り落ちる黒髪に、白いタオルを頭に乗せて、脱衣所を出た。
「あ、緑川さん。お風呂空いたよ。」
「おっ。分かりましたー。」
ちょうど廊下を歩いていた緑川さんに、声をかけた。
「相変わらず、お風呂上がりのフジさんは えろいですねぇ」なんて訳の分からない事を言われる。
胸元、開けすぎかな…?と、黒い長袖のシャツのボタンを、上まできっちり閉めた。
緑川さんは、スキップしながら脱衣所へ入る。
何か、ご機嫌……?もしかして、ヒラと何かあったのかな。
まあ、緑川さんはヒラが大好きみたいだけれど…
「やっぱり俺は、キヨと結婚してほしいなぁ…」
「オレと誰との結婚式だ?」
「キヨと緑川さんの結婚式!!でね、俺の夢は、その結婚式の神父をやりたい…痛い!!なんで蹴るの!?」
いきなり現れたキヨに、すねを蹴られる。うぅ…痛ぇ……応援してるのに………
顔を上げてキヨを見る。すると、両手を後ろに、気まずそうな表情をしていた。
自分の背中で何かを隠しているようだった。
ハテナマークの嵐。
足を組み直し、ひじをつく。そして、「何?」と伝えるため、首を傾げた。
「…………おい。お前、まだ怒ってんのか。」
「え?何が?」
するとキヨは、隠していたものをバッと目の前に出した。
…え……?
キヨが両手に、溢れるほど持っていたのは、たくさんの青い花だった。
「その…なんだ。まあ、あれは俺が悪かった。
町のチビ共と鬼ごっこしてたら、いっつもお前が大事にしてた青い花、つい踏んじまって……」
あぁ……すっかり忘れていた。
俺の大事な花を踏み潰して、謝りもしないコイツに腹を立てていたんだった。
避け続けてたし、喧嘩もしていた。
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あみ - 本編最高すぎてこちらも読ませていただきましたが、、、いや本当に神です以上！！(?)本当に好みというかなんというか。ヒ.ジ.キ.の小説で一番好きかもしれません。こ.ーす.け.をのけ者扱いにしているような小説が多いイメージがあったので。この小説が本当大好きです！ (2021年7月25日 14時) (
レス) id: 2c5fd51ba4 (このIDを非表示/違反報告)
みー - すごく、すごく良かったですっっっっっ...！(大号泣) (2019年11月22日 7時) (レス) id: 7c0d6b05b3 (このIDを非表示/違反報告)
かえで@utaitelove(プロフ) - もう最高です…！！感動したと思ったら次はキュンキュンしてほんと私の心臓どうしてくれるんですか！影葉さん最高です( ；∀；)他の作品も全部読ませて頂きましたがほんとに天才ですね！？これからも頑張ってください (2019年1月1日 21時) (レス) id: a0615ac09b (このIDを非表示/違反報告)
アンジ* - 今になってもずっと読んでます！狂った国の王子様、こーすけが出てきたシーンで大号泣してしまいました。番外編、ぜひ読みたいです！影葉さん、感動をありがとうございました！ (2018年8月20日 20時) (レス) id: a0d4f82c90 (このIDを非表示/違反報告)
夜猫 - ヒラ可愛い！死にそう！ (2018年2月3日 5時) (レス) id: c27b932811 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：影葉
| 作成日時：2015年12月5日 14時
