____…第17話…____ ページ17
つわはすさんが、椅子から立ち上がる。
助け…?
眼鏡の男は、「あぁ、見えないか」と手をポンッと叩き、俺の縄を外した。
グイッと腕を引かれる。
この男、俺のこと嫌いなの…?さっきから、扱いが乱暴だし、嫌みっぽい言い方するし。
窓から下を眺めると、この部屋がどれだけ高い場所にあるのかが分かった。
ん…?
「え……ヒラッ!?」
城の入り口に立つ、白いパーカー。両手を握りしめ、こちらを見上げていた。
その時、深く被っているフードの下から、綺麗な緑色の瞳が見えた。
「えー。嘘でしょー。いきなり国王様が助けに来たのー?兵士とか執事とかが助けに来ると思ってたー。」
「見たところ、ヒラくん一人みたいだね。」
二人とも、無表情で会話する。眼鏡の男は、棒読みで、慌てているフリをしている。
“いやーフジ!!お前の大事にしてた花、壊しちまった!”
…やっぱり、アイツは、助けに来てくれないよね。当たり前だ。
散々 勝手に怒って、アイツを避けていたのに、自分が困った時だけ「助けて」なんて、都合が良すぎる。
…キヨ、怒ってるよなぁ。俺が誘拐された所で、何とも思っていないだろう。
いや、むしろ喜んでいるかな。
「ヒラくんて、魔王のオーラでも持ってんの?あの人の近くにいると、
すっごい空気が重いんだけど。」
「あー、分かる。あの人の周り、すっごい空気が冷たいよね。
……どうする?ヒラくんて、細いし小さいし、僕一人で片付けようか?」
うん。確かに、ヒラが近くいればいるほど、寒気がする。
つわはすさんが、眼鏡の男の質問に答えようとした時、外が騒がしくなった。
驚いて下を見ると、ヒラが、兵士達に銃を乱射され、追い掛けられていた。
戦っているように見えるけれど、俺には、ヒラが兵士達で遊んでいるようにしか見えない。
いつもの笑顔で、「おいで〜」と手を叩いて走ったり、木に登って「バーカーバーカ」と挑発したり。
………あの人、何やってんの?
あの大きな庭を埋め尽くすほどの、何千もの兵士を、一人で相手している。
最終的に、ヒラを追い掛けていた兵士達は、ヒラから逃げるようになった。
あの大人数の一斉射撃を全て交わし、しかも笑って挑発して来る。
…勝てないと察したのだろう。
「おお、さすがは国王様だね。」
「…行くぞ。PｰP。」
眼鏡の男は「はーい」と返事し、また素早く俺の体に縄を縛って、出ていった。
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あみ - 本編最高すぎてこちらも読ませていただきましたが、、、いや本当に神です以上！！(?)本当に好みというかなんというか。ヒ.ジ.キ.の小説で一番好きかもしれません。こ.ーす.け.をのけ者扱いにしているような小説が多いイメージがあったので。この小説が本当大好きです！ (2021年7月25日 14時) (
レス) id: 2c5fd51ba4 (このIDを非表示/違反報告)
みー - すごく、すごく良かったですっっっっっ...！(大号泣) (2019年11月22日 7時) (レス) id: 7c0d6b05b3 (このIDを非表示/違反報告)
かえで@utaitelove(プロフ) - もう最高です…！！感動したと思ったら次はキュンキュンしてほんと私の心臓どうしてくれるんですか！影葉さん最高です( ；∀；)他の作品も全部読ませて頂きましたがほんとに天才ですね！？これからも頑張ってください (2019年1月1日 21時) (レス) id: a0615ac09b (このIDを非表示/違反報告)
アンジ* - 今になってもずっと読んでます！狂った国の王子様、こーすけが出てきたシーンで大号泣してしまいました。番外編、ぜひ読みたいです！影葉さん、感動をありがとうございました！ (2018年8月20日 20時) (レス) id: a0d4f82c90 (このIDを非表示/違反報告)
夜猫 - ヒラ可愛い！死にそう！ (2018年2月3日 5時) (レス) id: c27b932811 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：影葉
| 作成日時：2015年12月5日 14時
