____…第13話…____ ページ13
夕食時、外は少し暗くなっていた。
食堂で、国王と二人。なぜか、空気が重い気がする。
「……国王、いつまで二人を待つんだ?そろそろ飯食おうぜ?」
飯の時間だー!と、国王と二人で喜んで席に着いたが、執事とAがいなかった。
いつものあの二人なら、もう既に席に着いているはずだ。
執事は、朝から全く見かけていない。
……そんなに、俺の顔を見るのが嫌なのか。
国王はというと、「ご飯は皆で食べるから美味しいんだよ〜」と、二人を待ち続けている。
…腹減った。目の前に美味そうな飯があるのに、食べられないとは拷問か?
アイツら、帰って来たら ぶん殴ってやる。
「国王は、Aがいなくなってから、執事のこと見てねえのか?」
そう聞くと、国王は無言で、物凄い笑顔になった。
…思ったんだけどさ。
コイツ、絶対今不機嫌だよな。
国王の癖は、分かりやすい。
怒っている時、不機嫌な時、何かやらかした時、気になっている事がある時ほど
コイツは笑顔になる。
“表情”と“思っていること”が逆なのは、昔からの癖だ。
……こんな時、フジがいれば、「元気出してよ!!」とか笑って、すぐに国王をご機嫌にできるのにな……
と考えていると、あの役に立たん新人メイドが、俺に駆け寄って来た。
「だ、大臣様。国王様にお伝えしなくてもよろしいのですか?」
「……は?何が?」
「えっ?何がって……大臣様、さっき、執事様を『医者に連れていく』っておんぶしてましたよね?」
……は?
「おい。その話、詳しく聞かせろ。」
「はい?え、えっと、お昼の2時頃でしたでしょうか。
大臣様が、意識の無い執事様をおんぶしていらしたので、声をかけたのですが、
『フジは体調が悪いらしいから、俺が医者に連れていく。』と仰って、城を出て行きましたよね?」
音を立てて、椅子から立ち上がった。
新人メイドは、「ひっ!?」とカタカタ震えている。国王は、不思議そうに俺達を見た。
俺は今日、一度もフジに会っていない。
なのに、コイツは、俺とフジが一緒にいた所を見たと言っている。
すると、お盆を持った青い髪のメイドも、口を開いた。
「ああ、大臣様が執事様をおんぶしているのは、私も見ましたよ。
やっと仲直りしたのかな?と思って見ていましたけど……」
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あみ - 本編最高すぎてこちらも読ませていただきましたが、、、いや本当に神です以上！！(?)本当に好みというかなんというか。ヒ.ジ.キ.の小説で一番好きかもしれません。こ.ーす.け.をのけ者扱いにしているような小説が多いイメージがあったので。この小説が本当大好きです！ (2021年7月25日 14時) (
レス) id: 2c5fd51ba4 (このIDを非表示/違反報告)
みー - すごく、すごく良かったですっっっっっ...！(大号泣) (2019年11月22日 7時) (レス) id: 7c0d6b05b3 (このIDを非表示/違反報告)
かえで@utaitelove(プロフ) - もう最高です…！！感動したと思ったら次はキュンキュンしてほんと私の心臓どうしてくれるんですか！影葉さん最高です( ；∀；)他の作品も全部読ませて頂きましたがほんとに天才ですね！？これからも頑張ってください (2019年1月1日 21時) (レス) id: a0615ac09b (このIDを非表示/違反報告)
アンジ* - 今になってもずっと読んでます！狂った国の王子様、こーすけが出てきたシーンで大号泣してしまいました。番外編、ぜひ読みたいです！影葉さん、感動をありがとうございました！ (2018年8月20日 20時) (レス) id: a0d4f82c90 (このIDを非表示/違反報告)
夜猫 - ヒラ可愛い！死にそう！ (2018年2月3日 5時) (レス) id: c27b932811 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：影葉
| 作成日時：2015年12月5日 14時
