Story05 ページ8
「ん、これ被って後ろ乗れ」
そう言って朔間が私に差し出したのはヘルメット。
目の前にはバイク。
「は?バイク?」
「おい早くしろよ〜」
高校2年がバイク...?
「信じらんない」
「なにがだよ?」
「高2でバイクとか...」
「俺様ちゃん留年してるから本来なら高3だし〜?」
「いやそういう問題?」
そもそも高3でバイクも早くない?普通なの?
「てか遅せぇよ、寄越せ」
寄越せ、ヘルメットのこと?
え、お前が渡してきたんじゃん?と思いつつ朔間に渡す。
「〜〜〜っ!?///」
朔間が私にヘルメットを被せてきた。
無駄に顔を近づけて。
「これでいいな。おい顔赤いぞ?大丈夫かぁ〜?」
ニヤつきながら言う朔間。この確信犯め。
「し、ね...!///」
「俺様ちゃん吸血鬼だから死なねぇんだよな〜♪」
は?こいつそういうキャラなの?
早く乗れ、と急かされたからとりあえず後ろに乗る。
するとすぐ動き出したバイク。早い。
案外安定するもんなんだな。
「じゃあ明日から十字架のなにかでも持ってくるわ」
「残念、俺様十字架効かねぇの」
「は?吸血鬼なんだよな?」
「十字架効かねぇ吸血鬼なんだよ」
「はっ、なにそれ」
「俺様ちゃん最強〜♪」
それからまたこんな感じのくだらない会話を続ける。
「ここ右?左?」
「あ〜、右。曲がったらそのまましばらく真っ直ぐで、大きい本屋を左に曲がったら住宅街」
「その住宅街にAの家があんだな?」
「そう」
私がそう答えると朔間がなにやら1人でブツブツ独り言を言い始めた。
「いきなり独り言なんてどうしたの、朔間」
「いや...うん、そうだな。その住宅街行くなら左曲がって裏道入った方が早ぇわ」
へ〜、すごい。朔間。
「ただそっち道悪いから、ちゃんと捕まってろよ」
「は?結構安定してるし大丈夫でしょ」
「今までは道がよかったから安定してたんだよ、そんなこともわかんねぇのか?」
笑いながら煽ってくる朔間。腹立つ。
「はいはい、でも取っ手とかないじゃん。どこ掴まれって言うのさ」
「は?俺様ちゃんに掴まればいいだろ?」
「...は?」
いや、は?
「ほら信号変わるから、早く掴まれって」
仕方ない。そう思い朔間に掴まる。
なにこいつほっそ。
というかなんでこんなに...顔熱いんだろ。
なんで?
理由なんて気づいてた、わかってた。
けど、知らないふりをした。
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ぶーりん - ドギドキしました!更新楽しみにしてます!! (2019年7月9日 21時) (レス) id: fea34b99e4 (このIDを非表示/違反報告)
さや(プロフ) - うわああああ!!!ありがとうございますありがとうございます!!!更新頑張ってください...! (2019年2月22日 7時) (レス) id: ac3046f1c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しゅうあ | 作成日時:2019年2月21日 20時