感じたこと ページ6
「看守殿!」
囚人服はそいつの長髪にはあまりにも似合わなすぎて。
「髪を切ったらどうですか」
「ズラじゃない、桂だ!」
「ズラだなんて言ってないです」
微妙に噛み合わない会話に、妙な心地よさすら感じてしまった。
「それよりも、大丈夫だったか?」
「・・え?」
突然かけられたその心配に、思わず間抜けな声が出る。何のことやらと思っていれば、1145から答えは出された。
「俺のせいで、今朝の奴らに絡まれたのだろう?」
「なんで知ってるんですか?」
「あやつから聞いてな」
そう言って、顎でしゃくったその先に見えたのは鯱の姿。
「すまなかった。あやつに注意されてしまってな・・。中途半端に助けるな、と」
「そう・・ですか・・。」
視線を鯱に巡らせれば、一瞬だけ目が合ってすぐに逸らされた。
鯱は、私がこの牢獄に勤め始めてすぐの頃に入ってきた囚人だ。
その強面から、今ではこの牢獄のボス格にまで成り上がってはいるがしかし彼は、素はとてもいい人。
先程のように、鯱に助けられるようになったのも最近のことではない。
「私のことはお気になさらず。それよりも、朝食後は労働です」
「ああ、わかっている。それだけ伝えたかっただけだからな」
本当にすまなかった、と付け足された謝罪。
この牢獄に来るものには珍しいタイプの犯罪者。
彼が何をして捕まったのかは分からないけれど、胸の奥でウズウズと、感じたことのない感情が渦巻くような感じがした。
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ゆり(プロフ) - あれ?終わりですか!?とても面白かったので残念です…。 (2017年5月7日 13時) (レス) id: 16a2a2c0ee (このIDを非表示/違反報告)
蝸牛 - かっこいいです!更新頑張ってください! (2017年1月21日 11時) (レス) id: 9c8917c2ad (このIDを非表示/違反報告)
みくり - 続き気になります!!更新頑張ってください!!!! (2016年11月9日 6時) (レス) id: a243a73ee4 (このIDを非表示/違反報告)
霧助(プロフ) - かぁつらさん!!イケメンですね!更新頑張ってください! (2016年8月23日 13時) (レス) id: 680443222a (このIDを非表示/違反報告)
神阿(プロフ) - 紅夜桜さん» コメントと誤字訂正ありがとうございました!がんばります!!! (2016年7月31日 21時) (レス) id: d25d67767d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神阿 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kamiamatome/
作成日時:2016年6月19日 22時