港 ページ19
船の隅っこに座っていると、唐突に体が宙に浮いた。
『ついたぞ』
どうやら陸までたどり着いたらしい。
久しぶりに見る港の景色に思わず息を飲んだ。
海のにおい。カモメの泣き声。すべてが久しぶりの感覚だった。
桂さんと別れてから私たちは無事、反対側に止めてあった桂さんの仲間と思しき人達に遭遇した。
なにやらと大騒ぎを繰り広げ、桂さんをどうするだとか、今から助けに行くかとか、エリザベス以外はバタバタと船内を駆け回っていた。
エリザベスは私を船の上にゆっくりと下ろすと、仲間の前に立った。
「どうしますか、エリザベスさん」
桂さんがボスだと言うのはなんとなくわかった。
そして、察するに桂さんがいないときのボスはエリザベス。
エリザベスは即座にプラカードを上げる。
『舟を出せ』
その命令に、どよめく攘夷志士たち。
「しかし、桂さんはッ・・!!」
『桂さんからの命令だ。舟を出せ』
「は、はいッ!」
それ以降はみんな何も言わずにただ黙々と海の上を進んだ。
そして、たどり着いたのは聞くところによると江戸の港らしい。
「あ、あの!どこに行くんですかッ!」
『黙って来い』
バタバタと暴れる私を抱えたままどれくらい歩いただろうか。
ゆらゆらと腕の中が揺れるもんだから、ちょっと気持ち悪くなってきたと思ったらその足はピタリと止まった。
微かに残った気力で見上げてみると、どれくらい歩いたのだろうか。(主にエリザベスが)
港の風景から一変見えた街並み。そして、目の前にそびえ立つ――
”万事屋銀ちゃん”
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ゆり(プロフ) - あれ?終わりですか!?とても面白かったので残念です…。 (2017年5月7日 13時) (レス) id: 16a2a2c0ee (このIDを非表示/違反報告)
蝸牛 - かっこいいです!更新頑張ってください! (2017年1月21日 11時) (レス) id: 9c8917c2ad (このIDを非表示/違反報告)
みくり - 続き気になります!!更新頑張ってください!!!! (2016年11月9日 6時) (レス) id: a243a73ee4 (このIDを非表示/違反報告)
霧助(プロフ) - かぁつらさん!!イケメンですね!更新頑張ってください! (2016年8月23日 13時) (レス) id: 680443222a (このIDを非表示/違反報告)
神阿(プロフ) - 紅夜桜さん» コメントと誤字訂正ありがとうございました!がんばります!!! (2016年7月31日 21時) (レス) id: d25d67767d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神阿 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kamiamatome/
作成日時:2016年6月19日 22時