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それはただの気まぐれだった ページ8

その出会いは僕にとっては偶然だったけど、

世界にとっては必然だったのかもしれない。






その場所は僕のお気に入りの場所だった。

誰も訪れない静かな場所。






でも、このヨコハマで一番海が綺麗に見える場所だと思う。









________その場所で彼を見つけた。









廃屋の中で蹲る彼は、世界に絶望し、

理想も信念も自分が何者であったのかさえも、

全てが抜け落ちた人形の様だった。






ただそこにあるだけの亡霊だった。







声を掛けたのは気まぐれだった。

彼の存在を創り変えたのも、僕の友人だと言ったのも、

彼を、僕の唯一無二の相棒にしたのも。

全部ただの気まぐれ。






でも、その気まぐれが彼を救ったんだろうね。

光の元へ連れ出した時、彼の眼には光が宿っていた。






僕の目の前で高笑いする彼はもう、亡霊なんかじゃなかった。

彼女の相棒→←とある男の記憶〜男が救われた日〜



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作者名:神無月 | 作成日時:2018年7月8日 14時

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