【文スト】欲深な少女の怪奇譚 (ページ26)

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謎の男ページ26

織「で、お前は一体何者だ？」

水無月が眠る泉を後にし、俺たちは花畑に移動した。

そいつは全身を包む白いローブにフードで顔を隠していた。

手には複雑な形をしている杖を握っている。

顔が見えないのに全身から胡散臭さを感じる。

妖しい事この上ない。

？「まぁまぁ、そう警戒しなさんな。私は水無月の古い友人。

花の魔法使いさ！魔法使いさんと呼んでくれたまえ。

ああ、その年で魔法使いさんは恥ずかしいか…。

やっぱり魔法使いで良いよ。」

織「魔法使い、なのか？」

？「…君は良い人だね。あの無名の英雄は、

「胡散臭い奴とは関わる気は無い。」って言って去ってしまったのに。」

トホホと泣いた振りをする。

？「いい子の君にお兄さんが特別に魔法を見せてあげよう！

そぉ～れ！」

彼が杖を振った瞬間、鮮やかな花がふわっと現れた。

そしてそれらは風に乗り、空に舞った後消えて行った。

織「魔法使いは何故、“お兄さん”と言う？

見た目的に年は同じくらいではないのか？」

？「あ～…無名の英雄が敢えて突っ込まなかった事を言っちゃうか～。

まぁ聞かれたからには答えよう！

理由は私が君よりも何百倍も生きているお兄さん、だからね！」

織「！？」

俺は目を見開いた。

彼の言葉が信じがたいものだったから。

だがこの世界には異能があり、幽霊がいる。

何百年も生きる者がいてもおかしくはない。

そう考えた俺は素直に彼の言葉を受け入れた。