〜君との景色〜【短編集】

お礼(スキル) ページ23

今日も元気に学校へ向かい、教室のドアを豪快に開ける。

『おはよー！！』

皆に挨拶してまわる。返されなくても気にしない！でも、一人は例外。

『神田ー！おはよー！』
「...あぁ..」

いつも、返してくれるまで挨拶する私にさすがの神田も折れたんだろう。

『誕生日おめでとー！』
「...あぁ..」

誕生日と言えば！！

『神田ー！誕生日だから、私に感謝しなさい！』
「...あぁ..って、は？！」

おー、いい反応。

「なんでお前に感謝しなきゃいけねぇんだよ。」
『せっかくお前と友達やってあげてるんだから。誕生日ぐらい感謝すべきだよね。』

あ、コイツ何言ってんだ？的な目で見られてる。

『早く。ありがとうと言え』
「誰が言うか。」

素直じゃないなー、もう。

『仕方ない。じゃぁ、君の好きな蕎麦でも奢ってくれたらいいよ』
「良くねぇよ」

ケチだな。神田は。

『君は感謝が足りない！』
「お前に説教されたくねぇよっ！」

すると、教室のドアがガラっと開き、いつもの二人が入ってきた。

「ユウ！そうさ！皆に感謝するべきさ！」
「そうですね。感謝してほしいもんですよ。」
「誰がするかっ！」
「え？感謝しないの？」

最後の私の言葉で、神田はお世話になっている人の所に行き、お礼を言ってまわったという。(ある意味)素敵なオーラ出しすぎちゃった？

(なんで、俺がこんな目に...)
(なんか、神田にお礼されるとは...虫酸が走ります。)
(ユウにお礼言われたさ！ビデオ撮れば良かったさ。)
(神田がお礼を言うようになったなんて、成長したね！)
(((いや、貴方［お前］の黒いオーラのせいです［だ］。)))
(なんか言った？)
(((ナンデモアリマセン)))









「おい、A」
『ん？』
「...い、いつ、も、あ、あ、りがっ、、と、な、、。」

あははー、照れてるー。顔真っ赤。見ものだな。

『ん？なんだって？何言ってんのかわかんなーい。』
「テメェ...っ！」

顔真っ赤にしながら怒ったって怖くないもんね。

(男子が好きな子ほどいじりたくなるんなら)
(女子だって好きな子ほどいじりたいんです。)

素敵な私からの誕生日プレゼント。

(神田は、お礼を言うというスキルを身につけた)

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