満腹(………ぐぅ〜) ページ1
今は四時間目の授業で、先生が黒板を指さしながら喋っている。けど、私には何を喋っているのか分からない。…いいや、聞いてないだけだ。だって三時間目の授業、体育だったんだもん。しかもハンドボール。あれは辛いよ。と、豪快に机に伏せて私は机とお友達になっていた。
伏せたまま首だけ動かし外を見ると、青い空の中に所々に、わた菓子の様な雲が浮かんでいた。
…おいしそう。なんて、変な事を考えたと同時にお腹が鳴りそうになる。
絶対に鳴らすものか!とお腹をギュ〜っと手で押し、なんとか阻止する。
…今日に限って授業静かだし、三時間目に体育だし(四時間目にいれてよっ!)…そして私の隣には、この学校で一番美人だと言われている神田君がいる!別に神田君の前でお腹を鳴らしてはいけない。という決まりはないわけだけど……なんか…ねぇ。(あ、伏せてるのはアリだよ。私的に、ね?)
神田君はいつも仏頂面だ。それでも綺麗だ。けど、怖い。鬼だ。などの噂があるため、皆近づきたくても近づけずにいる…私は話しかけられると話す。という性格なので、話をした事はない。(しいて言うなら、転がってきた消しゴムを拾ったときに「…すまない」と言われたぐらいだ)
お腹をおさえて早、14分。あと1分で鐘が鳴る!良くやった私!とお腹から手を離した瞬間
……ぐぅ〜
……油断した…。自分の顔がリンゴみたいに真っ赤になっていくのが分かる。で、でも、思っていたのよりは小さい音だったから、運良ければ聞えていない.…ゆっくりと顔を反対に向ける。
そこには、高く縛った絹のような髪をさらさらと揺らし、こっちを向く神田君がいた。神田君は目を丸くし少し驚いている。…恥ずかしい。穴があったら入りたい。と思う反面…こんな表情してる神田君、初めて見た!と驚く自分がいる。
目が合い、形の良い唇をフッと曲げ、綺麗な弧になる。あまりの綺麗さに見惚れてしまい、ドキッと心臓が高鳴る。その真っ黒な瞳に吸い込まれてしまいそう。
そんなときも終わり、神田君はすぐに何もなかったかのようにシャーペンを持ち直し、黒板に向いた。
笑った…。真っ赤だった私の顔はもっと真っ赤になり、それは、笑われて恥ずかしかったのか、または、神田君の笑みを見たからなのかはわからないけど、とにかく今は神田君の普段見せない表情を見れて、お腹いっぱいです…!
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ozだぁ〜 - もう、みんなかっこいいです!特に神田ユウ様っ!!また読み返します! (2021年4月29日 13時) (レス) id: 23f9dcf647 (このIDを非表示/違反報告)
鈴音(プロフ) - ホント久しぶりーー!!またよろしくねー(*´∀`) (2017年3月6日 22時) (レス) id: 01d6e1d1a3 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ - 桐宮さん» 初めまして!遊びに来て頂けてとても嬉しく思います!!面白いって言ってくれるなんて!!涙が出てきた!笑 これから再開しようと思うのでよろしくです!! (2016年12月28日 20時) (レス) id: d2295ce07c (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ - 鈴音さん» ひさしぶりー!!!!ずっと更新してなくてごめんー!!また再開しようと思うのでよろしくです!! (2016年12月28日 20時) (レス) id: d2295ce07c (このIDを非表示/違反報告)
桐宮 - 初めまして☆ 続きあるんですね?あ、脅しじゃないですよ。これ面白いから、続き読みたいなー。なーんて思ったわけですよっ☆ 頑張って下さい! (2016年12月1日 2時) (レス) id: a7d473c89c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆちろ | 作成日時:2015年3月18日 17時