興味対象外通告。2

96.似ている ページ47

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ぽーんとなんでもないように言ったジニヒョンの言葉に一瞬俺は固まった。



『なんかってなんスか』

「うーん、恋愛的な？」


確信があるわけではないのか、最初の質問とは違った、抽象的な言葉が返ってくる。…ジニヒョンはなにをどこまで知ってるんだろうか。



『さあ…、俺はなにも』

「そうなの？じゃあ僕の思い過ごしかなあ」

『…思い過ごしって？』

「今日の帰り、なんか2人の空気感が違ったから、ちょっと気になってね？」

『よく見てますね』



ぽけっとしてそうなのに、そう言った空気感には敏感なとこがあるらしい。グクの話をしてもいいものなのか、少し迷う。


グループ内のこととはいえ、プライベートなことでもあるから、なんというか線引きが難しい。



『…ヒョンは、Aさんのこと、どう思いますか？』

「え、Aさん？うーん、なんだろ。特に感情はないけど」


バッサリと興味対象外だと告げるヒョン。まあ、そうだよな、2年もあって、Aさんと仲良くなったメンバーはいない。



逆にいうと、グクはなんでこのタイミングでその恋心を自覚したのか不思議だ。



「…感情はないんだけどさ、なんていうか、Aさんを見てると、どことなくユンギを思い出すんだよねぇ。似てるのかな？」

『は？』

「え、なに怖い顔して」

『俺とあのメイクが似てる？』

「あのメイクって失礼でしょ」



俺の疑問はスルーして、ピシャリと言葉遣いを注意される。



『…似てないですよ、Aさんとは』

「そうかな？だってユンギも作曲に熱中したら、ご飯食べなかったりするじゃない。興味があることに一直線って感じでさ。Aさんも、なんか似たような感じだと思うなあ」

『俺と彼女じゃ次元が違いますよ』



俺は、あそこまで極端じゃない…、はずだ。



『似たような感じってAさんのどこらへんを見てそう思うんですか？』

「なんていうか、わかんないけど、Aさんってメイク始めると周りの声とか状況とかなにも入ってきてないでしょ。ソジュさんとかが声かけても、無視してるわけじゃないんだけど、本当に聞こえてないって感じになるよね。その感じ、ユンギと一緒だなあって」

『…、』

「仕事熱心な人だよね！うん、Aさんへの僕の感情はこれだね」






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