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93.彼女のこと ページ44

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『なんていうか…、きっとってことは、なんだその、そこまで本気じゃない?とか?』

「そんなわけないでしょ」



俺の問いかけをピシャリと否定する。



『…わからん。お前があのメイクのなにがいいのかまったくもってわからん』

「人を好きになるってそういうことじゃないでしょ。ヒョンもたまに歌で書くじゃないですか」

『やめろ』

「自分でもよくわかってなかったんですけど、たぶん、そういう理屈じゃないです。俺が…A、さんに持ってる感情は」


『…なんだよ。だって、お前確かに意識はしてたけど、そんな感じじゃなかっただろ』


俺がひっかかっているのは、きっとそこなんだろう。確かにグクが、あのメイクを意識していたことは知ってる。けどそれは、どこか他のメイクとは違うあいつの態度、いや雰囲気か、そこにただ興味を持っただけなんだと思ってた。


それから、恋愛する機会もそこまでなかったグクに唯一触れる女性だから、そんなところじゃないのか?



なのに。



今、目の前で照れた表情を浮かべるグクからはそんな軽い気持ちで好きだと言ってるようには感じ取れなくて。心から惚れ込んでる、もっと、プラトニックなそんな空気をひしひしと感じる。


「好きだって自覚する瞬間ってそんなにありますか?あ、ここもいい、これもいい、そんなところもいい、はいっ、好きなところ3つ!はい好きー!なんて、いうやつアホすぎるでしょ」

『極端だろそのアホは』

「まあちょっと大げさに言いましたけど」


グクの変な例えに笑いが漏れる。


「きっかけなんて、本当にないですよ。ヒョンはどうも理由とか出来事とか、譲れないそんなものを俺に期待してるんでしょうけど、今はそれに答えれるだけのものはないです」

『あるだろ、なんか』

「だって俺も、ヒョンも、それからバンタンみんな、Aさんのこと、なんにも知らないじゃないですか」


その言葉は紛れもない事実だ。


「なんでEXO先輩たちとそんなに仲がいいんだろうとか、どうしてあんなに綺麗なメイクが出来るんだろうとか、なんにも知らないんですよ、少なくとも俺は」

『それは俺も知らねぇ』

「まあちょっと冷たい言い方しますけど、Aさんはメイクで、スタッフで、アイドルがスタッフの事情なんて知る必要は普通だったらないんでしょうね」


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94.きっかけ→←92.本当の気持ち



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さとう(プロフ) - 2年ぶりに覗いたらお話更新されてた…! (2020年5月31日 2時) (レス) id: 7a2ecf4d8f (このIDを非表示/違反報告)
リア(プロフ) - 更新ありがとうございます!面白すぎます。なんで投票一回しかできないんでしょう、、、すでに投票済みになってる。 (2020年5月23日 20時) (レス) id: 42e9c67f6c (このIDを非表示/違反報告)
♪♪♪♪ - すっごいおもしろいです! 最高です! (2020年5月22日 9時) (レス) id: 18287f45f1 (このIDを非表示/違反報告)
ぐぅ - どんどん読み進めていくたびに引き込まれていきました、更新楽しみに待っています (2020年5月1日 11時) (レス) id: c991b8fbaa (このIDを非表示/違反報告)
2525(プロフ) - 1番好きなお話です!更新すっっごく嬉しいです(T_T) これからも楽しみにしています☆ (2020年4月26日 17時) (レス) id: 58a0df5f9c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:穂高 | 作成日時:2016年9月5日 22時

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