73.探し物 ページ24
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トイレへと続く廊下は人で溢れていて、スタッフの方々が次の段取りの準備でバタバタと走り回っていた。そんな中、ふと目に入ったピンクのスカート。
見覚えのある後ろ姿。
背中を少し丸めて、この場にいづらそうな歩き方。あ、えーっとあれ誰だっけな…？どこかのガールズグループの先輩？いや、違うっけ。誰だっけな。
思い出せないまま、ピンクのスカートの主は扉の向こうに姿を消した。
まあいいか。また思い出したらで。
考えるのをピタリとやめてトイレに向かう。防犯の意味もあって、出演者用のトイレは別に用意がしてある。だから少し距離がある。
もう少し、早めに出ればよかったかなとちょっとだけ反省。気持ちばかりの早歩きで、ようやく出演者用のトイレにたどり着く。
プラスチックの簡素なドアノブに手をかけようとしたその時、僕が手を引くより早く扉が勝手に勢いよく開いた。
「うわっと！！」
『うぉ、お…！？』
飛び出してきた人物とぶつかりそうになりながらも、お互いが身を引いてそれを回避する。ハッと捉えたその顔は、絵画みたいに綺麗な顔立ち。あ、やべ！！
『す、すみません！！チャニョルさん、お怪我はないですか？』
「え？あ、俺はないです！！」
と、屈託のない満点の笑顔を見せるまさに国民的アイドルに慌てて謝る。
「ジミンさん、も、大丈夫ですか？ごめんなさい、俺ちょっと探し物してて、」
『探し物ですか？』
「あー、えと、そうなんです。ああ、そうか、ジミンくんに聞いたらわかるかも？いや、でもそんなに仲良くないってヒョン言ってたっけ？あーでもなあ、」
ぶつくさと独り言が始まる。
漫画みたいに顎に手をあてて、考え始めるチャニョルさん。なんかわからないけど、長くなりそうな気がする。
『あ、あの！！』
「え？あ、すみません」
一瞬、キョトンとしたけれど、すぐに僕を見てあっと短く声を出す。おい、もしかしなくともこの人今僕のこと忘れてた？
『ぼ、僕でよければお力になります…よ？』
「え、本当ですか！？あ、今メイクボックス探してて！！見てないですか？？」
『メイクボックス…？』
「そう！！黒くて、蓋のとこに持ち手のついたやつ！！」
うーん？黒いメイクボックスなんて見て…、いや、見たかも。なんか、どこかで見た記憶があるような…、ないような？
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さとう(プロフ) - 2年ぶりに覗いたらお話更新されてた…！ (2020年5月31日 2時) (
レス) id: 7a2ecf4d8f (このIDを非表示/違反報告)
リア(プロフ) - 更新ありがとうございます！面白すぎます。なんで投票一回しかできないんでしょう、、、すでに投票済みになってる。 (2020年5月23日 20時) (レス) id: 42e9c67f6c (このIDを非表示/違反報告)
♪♪♪♪ - すっごいおもしろいです！ 最高です！ (2020年5月22日 9時) (レス) id: 18287f45f1 (このIDを非表示/違反報告)
ぐぅ - どんどん読み進めていくたびに引き込まれていきました、更新楽しみに待っています (2020年5月1日 11時) (レス) id: c991b8fbaa (このIDを非表示/違反報告)
2525(プロフ) - １番好きなお話です！更新すっっごく嬉しいです(T_T) これからも楽しみにしています☆ (2020年4月26日 17時) (レス) id: 58a0df5f9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：穂高
| 作成日時：2016年9月5日 22時
