【utit】 歌い手Lifeは知っている 【探偵チームk/z事件ノート】

第二十六曲目 ページ35

『あの、大丈』

「さかたんでもいってみよっか！」

わざと？

でも、曇りのないキラキラした瞳を見ているとそれを言う気も失せてしまった。

ごめんなさい、まふまふさん。あとでお詫びはします……！

合掌。


「さかたん呼んだよ！！」

『えっ今！？』

行動が早い、早すぎる。


「んしょっ……さかたんがここに来るってこと？」

あ、まふまふさん起きた。

『おはようございます。』


「あっ、おはようございます……？

！？！？！？

彩音ちゃんから“おはようございます”……！？」


「なんか別の世界に行っちゃってるまふくんは置いといて……そろそろ来ると思うよ。」

早すぎる。

歌い手ってみんな行動早いの？



ピーンポーン



「ほら来た！」

『だから早いんだよ……。』

「いいこといいこと！ほらまふくん、出迎えてきて！」

「なんで僕！？」



「もう、天月くんってば！人使いが荒いんだから……！僕だって彩音ちゃんと一緒にいたいのに！！

また独り占めして……。」


つっきーを睨み、文句を言いながらも玄関に向かってくれることに感謝。

つっきーがまふまふさんはもうちょっと優しくなってほしいって言ってたけど(第二十六曲目参照)、十分優しいと思うなぁ。

言ってることはちょっとよく分からないけど。分かりたくないけど！！



「呼ばれて飛び出てぱんぱかぱーん！坂田でーす！！」


ガチャッと音をたてて扉が開き、スキップしながら見覚えのない男性が顔を出す。





「あ、あれ……？スベった……？」

「見事なスベりだったねさかたん。」

「嘘やろ！？」

嘘です。

……何を言ってるんだろう私は。


おろおろしている坂田さんに声をかけようと口を開くけど、言葉が出ない。

何をやってるんだろう私は……。


『え、え〜っと、えーとえと、いらっしゃいませ？』

何を言ってるんだろう私は……。(二回目)


「いっwらっしゃいませ……w」

笑わないで！？


「可愛い……。」


褒めるのもやめましょ？？

悲しくなってきた……。


「……彩音さんなん！？！？」

「「坂田うるさい！」」

お二人とも、辛辣ですね。


『彩音こと立花彩といいます……。』


「はっ、はい！

浦島坂田船の坂田こと、坂田優といいます！

彩音さんのファンです！応援してます！」


可愛い。

坂田さん……私なんかにそんな緊張しなくてもいいのに……底辺だよ？


『つっきーは何でそんなに嬉しそうなの。』

「え？友達出来てよかったねって。」

親かな？

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