【utit】 歌い手Lifeは知っている 【探偵チームk/z事件ノート】

第二十三曲目 ページ31

『……あ。』


お風呂から上がり、ドライヤーで髪をかわかしていると、ふと気がつく。

そういえば、カフェって言ってたけど、どこのカフェか聞いてない。

やらかしたなぁ……。


うーん、どうしよう。今から電話するのも、夜遅いし……迷惑だよね。

塾に行ってるのかもしれないし。

どうしよう……？


そんな永遠に解決しなさそうな問題にぐるぐる頭を悩ませていると、家にチャイムの音が響き渡った。

なんだろ、こんな夜に。


宅配便……じゃないよね。この時間帯に頼むわけないし。

なんかちょっと……怖い、かも。

しばらく固まっていたけど、意を決してのぞき穴に目を近づける。

と、つっきーのアップ。



『ぅわぁ！？』



……びっっっっくりした。

急なイケメンのアップは心臓に悪い。

「……彩ー？俺だよ、開けてー。」

『お、おれおれ詐欺は募集してませんっ！』


「それ募集してる人多分いないよw

あーや！翔太だから！」


翔太って名前だったねそういえば！

夜にこんなに外に出して、通報されても、身バレされてもいけないし……入れてあげよう、とりあえず。

という考えにいたり、扉を開けた。


「うわっ！？」

『あ、……ごめん……。』

「いや、大丈夫……たぶん……。」



何があったかって、さっきつっきーの顔がドアップで映ってたから、扉のすぐ前にいたの。

だから、思いっきりつっきーがドアにぶつかっちゃった。

ほんとにごめん、つっきー。


『どしたの、こんな夜に。』

「お腹空いて。」

答えになってないんだけど。


『つまり？』

「彩の手料理が食べたい。」

なぜ。そして不健康。

まぁとりあえず、こんな深夜に立ち話するのもよくないので、家にあげよう。


「あげてくれたってことは、作ってくれるの！？」

『作ってもいいけど……そんな期待しないでね？』

「ありがとう！期待するね！」


『話聞いてた？？』

あれおかしいな、私期待しないでって言ったよね。

「まぁまぁ、細かいことは気にせずに。」



結局つっきーには親子丼を作ってあげた。つっきー細いんだから、お肉を食べさせないと。



「そういえば、彩、明日学校じゃないの？こんな時間まで起きてて大丈夫？」

『塾行ってた頃はもっと遅かったから、大丈夫。』

「えっ……もうすぐ日付変わる……。」

塾だけじゃなく、kz活動もそうとう遅かったし。私はそれでも早く帰らされたけど。

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