あなたに逢いたい

自業自得 ページ13

.


いつか誰かから怨みを買うだろうな、とは思っていたがソレが正に今だとは｡

壁際に追い詰められて俗に言う"壁ドン"なんてものをされている。
1部の女子は胸きゅんだなんだ言っているけどこの状況の私から言わせてみるとただの暴力でしかない。

逃げ場もなければ押しのけられもしない。
しかも目の前のカレは狂気の目をして私の口を塞いだままにやにやと見つめてる。

｢どうして別れようとか言ったの？また怖いお父さんからの命令？それとも他の男の言うこと？俺は他の男いたっていいし、何があっても倉子をアイシテル自信があるんだよ。だから別れようとか言わないでずっと一緒にいよ？ねぇ？｣

そう言えばお父さんが怖いの、なんて嘘誰かについたことあったな、なんてどうでもいいことが頭によぎる。

カレ自身の右手で私の口を塞いでいるのにそれに気がついていないかのようにずっと私に同意を求めるように話しかけ、すがりついてくる。

最初感じていた恐怖はいつの間にか陰に隠れ目の前のオトコを"哀れ"だと思い始めてきた。


このオトコはこんなにも私がスキなのに

私はこのオトコの顔しかまともに覚えてなくて

名前なんて分かるはずもないし

なんなら覚えている顔さえタイプじゃないとか考えてるのに

必死に追いかけて

縋り付いて

カワイソウナヒト


ぼーっとそんなことを考えてるとカレの空いている左手が制服のYシャツのなかに滑り込んでくる。
"このまま外でやられるのか"
他人事のように考えてると胸をやわやわと揉まれる。

触られてるのに何も感じない。
このままだと下の方が濡れないまま挿入されるな、痛いのやだな、でもそれも自業自得か、とか諦めムードでカレをぼやけた視界で見つめる。

しつこいくらいに胸を揉んでいた手が急に止まるから、"やるなら早くしてくれない？"って言おうとカレに焦点を合わせようとすると目が合ったのはなぜかすばるくんだった｡

宣戦布告→←暗闇

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す