love train (ページ36)

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大我くんは私の頭からつま先まで一目すると

「じゃ、行こっか」

それだけ行って私の手を掴む

『大我くん、手掴まなくても歩ける』

付き合ってもないのに勘違いしちゃうでしょ？

「そーゆーの言わない方がモテると思うけど？」

いつもより口調が優しくない、そう感じたのは気のせいだろうか

それから会話もなくひたすら人混みを歩く

何も喋らない大我くん

明らかに機嫌が悪い。いつもの彼じゃない

そんな態度とは裏腹に、大きな手に掴まれた手首

その力は凄く優しい

矛盾している

友達なら友達らしい距離でいたい

彼女って錯覚してしまいそうになる

『大我くん、どこ行くの？』

胸のモヤモヤに我慢できなくなった私は口を開く

「あと少し。」

そう言った彼が向かう先は花火大会の会場とは真逆の方向

『でも、、、花火大会こっちじゃないはずだよ？』

そう私が言うのと同時に大我くんの足がとまる

「ほら、着いた」

見上げた先は花火大会とは無縁の場所

"ADGマート" 靴屋さん

『...なんで？』

はぁ、、と

大我くんはため息をつく

「嘘バレバレなんだけど」

なるほど