love train (ページ35)

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ななこが帰ってから急いで浴衣を着て、バッグに荷物をつめ、

玄関の大きな鏡の前に立ち、最終チェックをする

履き慣れない下駄に少し不安はあるけれど、すべては彼のため、。

花火大会に来た多くの人の間を通り抜け、人の少ない所に出た

その時、足に痛みを感じて視線を下に送る

『わーやっちゃった、靴擦れじゃん。絆創膏、、、』

絆創膏を貼ろうとして屈むと、普段着慣れない浴衣に身体が持っていかれて、後ろに倒れそうになった

「わっ、危ねー、、っと。大丈夫ですか？」

聞いたことのある声

大我くんと私を繋げてくれた声

『ありがとうございます、！助かりました、、』

「怪我ないですか？、、、って、電車の、、」

松村北斗さん

『やっぱりそうですよね！松村さん、、、？』

「はい。あなたは、、ごめんなさい、名前知らなかった」

申し訳なさそうに頭を掻く彼

『岡野Aです。あれから京本さんと仲良くさせてもらっていて、、、』

「あ、なるほど。京本言ってました、違う高校の子と花火行くって」

『それ多分私です、、笑』

そう言うと見定めるかのような目で見てくる松村さん

身体が緊張する

そんな様子をみた松村さんは表情を緩めた

「似合ってるね、京本が好きそうな感じ。」

"似合ってる"

そう微笑みながら言う彼に少しキュンとしてしまう

こんなイケメンがそんなこと言うのが反則なの、、、と自分に言い聞かせる

「靴擦れしてるようだけど、大丈夫？無理しないほうがいいよ。」

『絆創膏貼るので大丈夫です！ありがとうございます』

「そう？ならいいんだけど。それよりアイツ待ってるんじゃない？早く行かないとね」

時計を見ると6時10分

大我くんを待たせているかもしれない

『じゃあ、失礼します！』

「気をつけてね、」

足が痛いのを我慢して待ち合わせ場所に向かう

遠くから見ても違うオーラを纏う人が見えてくる

浴衣を着て、月に照らされる姿が様になっていた

『ごめんなさい大我くん！遅くなっちゃった、、』

私に気づいた大我くんは駆け寄ってくる

「電話でないから心配したよ～、大丈夫？」

靴擦れしたなんて言ったらきっと心配をかけるだろう

『ちょっと迷子、、、笑』

あはは、

そう笑うと大我くんは私の全身を一目する

"似合ってる"

望んだ言葉が聞きたい