love train (ページ34)

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『さすが樹なんだけど、、』

「ほんと、単純すぎてバカだよね」

口にする言葉とは裏腹に、嬉しそうな顔をするななこ

「樹のこと好きになれたら楽なんだけどな。」

痛いほど気持ちが分かる

『うん、そうだよね』

自分の気持ちだけはコントロールできない。

嘘がつけないから。

『今日は友達として楽しんできなよ！』

「うん、そうする。ありがとう」

今日をきっかけに、ななこの気持ちに変化があれば、

そう願う

きっとななこも…。

「....。じゃあ、髪やってあげる！座って～」

いつも通りのななこに戻る

『はーい！』

器用なななこの手はどんどん進んでいき、あっという間に終わる

浴衣に合うメイクもしてくれた

鏡に映る自分が自分じゃないみたいに変わっていく

まるで魔法のように

「ほら完成！うん、可愛い！」

腰に手を当てて大きく頷くななこ

『私じゃないみたい、、、ななこありがと！』

「これで王子もイチコロだ～」

大我くんに、似合ってるって言われたい

期待するだけならタダだからいいよね、

『ななこも準備あるでしょ？私はもう大丈夫だから帰って準備しないとね！』

「えー私私服でいいかなって思ってたんだけど～、、」

私に魔法をかけてくれたななこには可愛い格好をしてほしい

樹に見せてあげてほしい

『だーめ！ななこもちゃーんと浴衣着て、髪結って、メイクしないと』

ほらほら、とななこの背中を押して玄関まで見送る

『ななこ本当にありがとう～、向こうで会えたらいーね！』

「えーそれは嫌！笑」

『なんでそんなこと言うのー』

「大人にはいろいろあるの～」

"高校生のななこ"

本当にいろいろありそうな顔で言うからそれ以上は聞かなかった

「じゃあね！楽しんで～」

大きく手を振るななこに大きく手を振り返す

この関係がいつまでも続けばいいな、なんて

そんなことを思った