＊ ページ5
大野サイド
なんとなく昼間のヨコの様子が気になってて、
夜中になってもそれは気になったままだったから
病棟の見回りがてら様子を見に来たら、案の定。
大「どうしたの？ヨコもすばるも」
裕「…おおちゃん…あんな、おれっ…おれ…」
何かを言おうとぎゅっと毛布を握りながら言葉を紡ぐヨコ。
一方すばるはその様子を何も言わずに見ていた。
大「どうした？ゆっくりでいいよ、落ち着いて…」
裕「おれっ…ほんまは、ずっと苦しくてっ…ちっちゃい発作、何回も出てっ…
でも外出れるの久しぶりで…楽しみで、言わんかったっ……ごめんなさいっ…」
言い終わってぽたりとヨコの目から滴がこぼれた。
ベッドに吸入器が転がってたから、
おそらく頑張って発作を抑えようとしたんだろう。
やっぱりか、という思いが強く、
さほど驚かなかったけど、
この涙には戸惑ってしまう。
本当はずっと隠しておこうと思ってたんだろう…
けど、我慢出来なくなったか
それかすばるにバレて一喝されたか…
どちらにしてもヨコのなかでは
大きな告白で、だからこんなに涙が溢れてしまってるんだろうな…
大「ヨコ？顔あげて？
苦しかったのによく我慢したね
気づいてあげられなくてごめんね」
裕「ちがっ…おれがっ…ｸﾞｽﾝｯ」
大「ううん、お医者さんなのにヨコが苦しんでるの気づかなかった。
すばるが気づいてくれたの？」
す「…ん」
大「そっか、先生より優秀なお友達がいてくれてよかった。
ちょっと診ようか？ね？
だから泣かないよ？泣いてたらコンコンしちゃうから」
まだ鼻をぐずつかせるヨコの胸に聴診器を当てて、
慎重に音を聴く。
呼吸のたびに良くない音が聞こえて、
あぁ、これは苦しいだろうな…って。
ヨコの頭に手をおいて気づいたけど、
これはきっと熱もある。
いつからなのかわからないし
それにこれから上がるかもしれない…
す「…ヨコ帰れない？」
大「うん、そうだね…
先生はヨコのからだがいちばん大事だから、
いいよって言ってあげられないや」
本人よりも真っ先に聞いてきたすばる。
その表情はすごく寂しそうで、
思わずそっと抱き寄せた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 649人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
rh?(プロフ) - すみません今ってリクエスト募集されてないですか？この小説今1番好きなんです、、、(T-T) (2018年1月20日 23時) (
レス) id: 6ded627432 (このIDを非表示/違反報告)
みの(プロフ) - 花音さん» なんとも嬉しいお言葉ありがとうございます!!ちゃんと更新できるように頑張ります(^^) (2018年1月16日 14時) (レス) id: 7c61799e2e (このIDを非表示/違反報告)
みの(プロフ) - ユキさん» よかった(^^)ありがとうございます！お願いします(^^) (2018年1月16日 14時) (レス) id: 7c61799e2e (このIDを非表示/違反報告)
花音 - すごい面白いです！大変だと思いますが更新頑張ってください！! (2018年1月13日 18時) (レス) id: bc4267d0c9 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - 間違えてないですよ〜(*'▽')また機会があればリクエストさせていただきます！ (2018年1月11日 23時) (レス) id: 25f4ed2bde (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みの | 作成日時：2017年11月12日 21時
