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安田サイド
少し歩いた先に人だかりが出来ていた。
近づくにつれて綺麗な歌声が聞こえてきて、
誰かが歌ってるんだってわかった。
その歌声に吸い込まれていって、人だかりの後ろの方から歌っている子の方を見ると、
その子は車椅子に座ってのびのびと歌っていた。
安「へぇー、綺麗な声ですね」
大「だね〜、昔と変わらない、優しい声だ」
安「…えっ!じゃああの子が先生の…」
歌が終わって、どっと拍手が沸き上がると、
前から「あっ!大野先生っ!」って無邪気な声が聞こえてきて、見ると歌っていた子がキラキラの笑顔でこっちに手を振っていた。
その子が先生の言う ようたくん やったらしく、手招きされて、僕らは人だかりの中心にやってきた。
よ「先生久しぶりだね!」
大「そうだねぇ、こんなとこで会えるなんてびっくりしたよ!元気にしてた?」
よ「もちろん!ねぇ先生、僕歌手になるために頑張ってるんだよ!」
大「昔からの夢、変わってなかったんだ!
すごく上手だったよ〜
だからほら、こんなにみんな聞いてくれてた」
見回したらお年寄りから小さな子どもまで、足を止めてようたくんの歌に聞き惚れてて、さっそくアンコールの声が響いてた。
よ「ねぇ先生も歌ってよ!」
大「ええっ、ようたの歌聞きに来てるんだから…」
よ「先生はお医者さんの先生でもあるけど、歌の先生だったじゃん!
お兄さんもいっしょに!歌お!」
先生はようたくんに手をとられて、「前はいっしょに歌ってくれてたじゃん!」って言われて断れない雰囲気で、ようたくんは僕も誘ってくれてる。
そういえば、大野先生って病棟内では歌が上手って噂や。
けど、子どもたちに歌を誘われてもいっしょに歌ってる姿見たことない…
安「…ど、どうしますか…」
大「しょうがないよねぇ(^^;」
そう言って先生はようたくんの目線にあうようにしゃがむから、僕も反対側にしゃがんで、ようたくんと大野先生と三人で楽しく歌った。
回りの皆さんも手拍子して盛り上がってくれて、なによりようたくん本人がいちばん楽しそう。
噂通り、先生はすごく歌が上手で、ようたくんと何度も顔を見合せて歌ってた。
歌い終わったら、ようたくんはいろんな方々に「よかったよー!」って話しかけられて、照れ笑いしてた。
「お兄さんも上手だね!」って、ようたくんからお墨付きももらえて、
こんな風に交流が出来るなんて、今日ここに来れてよかったわ(^^)
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rh?(プロフ) - すみません今ってリクエスト募集されてないですか?この小説今1番好きなんです、、、(T-T) (2018年1月20日 23時) (レス) id: 6ded627432 (このIDを非表示/違反報告)
みの(プロフ) - 花音さん» なんとも嬉しいお言葉ありがとうございます!!ちゃんと更新できるように頑張ります(^^) (2018年1月16日 14時) (レス) id: 7c61799e2e (このIDを非表示/違反報告)
みの(プロフ) - ユキさん» よかった(^^)ありがとうございます!お願いします(^^) (2018年1月16日 14時) (レス) id: 7c61799e2e (このIDを非表示/違反報告)
花音 - すごい面白いです!大変だと思いますが更新頑張ってください!! (2018年1月13日 18時) (レス) id: bc4267d0c9 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - 間違えてないですよ〜(*'▽')また機会があればリクエストさせていただきます! (2018年1月11日 23時) (レス) id: 25f4ed2bde (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みの | 作成日時:2017年11月12日 21時