あのあと ページ22
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「…なぁ。」
大阪城ホールでのあけおめ魂のあと。
家に帰り、いつものように光希の部屋でダラダラしていた。
だが、俺は思う。
アイツ、なんであんなに平然としてんの?
UME強引オンでいきなりキスされたこっちの身にもなってほしい。
恥ずかし過ぎて光希が可愛すぎてどうしようかと思った。
二人きりだからキスでもしてやろうかと思ったけどやめた。
照れ隠しに殴られると痛いし。
「あれ、なんやったん?」
「あれ?…ああ、ほっぺ?」
こっちの葛藤も知らず、コイツは自分が何も無かったかのように話す。
頭おかしいんちゃう?
「いや、急にしてきたから。口にしてくれても良かったんやで」
「は?人前でちゅーは恥ずかしいわ」
「ほっぺはノーカンなんや」
「だってあれ、ファンサやもん。うちわにあったもん。」
もんってなんやねん可愛くないわ。
いや、可愛いけど、「もん」に身悶えする時期はもう乗り越えた。
…ちなみに、俺の前だとキスのことをちゅーって言うのは未だに可愛いと思う。
天才的に可愛いと思う。何その甘え方惚れちゃういや惚れてるって感じ。
そして光希。
謎に真顔やし、表情筋死んでるし、…嘘ついてるやろ。
「ホンマにファンサ?」
「ホンマにファンサ。」
一切表情が変わらない。これは嘘ついてるわ。
「嘘やろ?」
「嘘ちゃう。」
近付くと、ジリジリと後退りする。
後退りするのを良いことに、壁際まで追い詰めた。
「なんで誤魔化すねん。恥ずかしい理由?」
「いや、ファンサやもん…」
がっつり目を逸らされてるので、説得力ゼロですけど。
まつ毛がふるりと揺れるのに惑わされたりはしてない。
勢いでキスしたくなったとかは、断じてない。
顎を持ち上げ、じっと見つめる。
光希は昔からこれに弱い。
「目ぇ逸らしたら食べられそうやん…」と涙目で言われた時は本当に可愛くて食べそうになった。
20歳までは手を出さんって決めてる手前我慢するしかなく、しんどくて身悶えしたのは記憶に新しい。
「…気になるなぁ。」
ニヤついてる自覚はあるが仕方ない。
甘い声で問いかけると、一瞬で顔が真っ赤になる。
今までの経験上、光希がここまで意地になって隠すのは可愛いことなのだ。
時たま爆弾が大きすぎて叫びたくなるほどには。
「…ま、…と……」
「…え?」
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美紀 - 移行おめでとです気温の変化が激しいので気を付けて更新大変だと思いますが頑張ってくださいね応援してます (2020年2月21日 19時) (レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
織恋寺 - ありがとうございます! (2020年1月26日 19時) (レス) id: e2a2120dbe (このIDを非表示/違反報告)
ひいらぎ@オリフラ外し隊(プロフ) - 織恋寺さん» 可愛らしい名前でしたので記憶に残っておりました(笑) 楽しんで頂けて嬉しいです!リクエストありがとうございました。頑張ります! (2020年1月26日 9時) (レス) id: 0ad919f62a (このIDを非表示/違反報告)
織恋寺 - 前もリクエストさせて頂きました!覚えててくださって嬉しいです!今回の話もとても楽しく読ませていただきました!ありがとうございました。これからも応援してます!頑張って下さいね! (2020年1月25日 22時) (レス) id: e2a2120dbe (このIDを非表示/違反報告)
ひいらぎ@オリフラ外し隊(プロフ) - 浅倉吏玖くんさん» 賢い判断ですわよ(( ひめりく、良いですね!シンメ名はそれで決定ですね。 (2020年1月25日 14時) (レス) id: 44ee139e8d (このIDを非表示/違反報告)
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