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映画を2本目見始めようと思ったところで、ガチャリとドアが開く音がした。やっと起きてきたようだ。しばらくして、ぺたぺたという足音と共になるせさんが登場した。
n「・・・はよっす・・・」
『おはようございますw もう昼下がりだけどw』
n「っす・・・」
『喉乾いてませんか?水、どーぞ』
と水を手渡すと大人しくゴクゴク飲んでいた。ふぅー、と言いながらコップを置くと、私の座るソファーの下へ座った彼。
『どしたんですか』
n「めっちゃねた」
『そうですねw』
まだ寝起きで頭がぼーっとしてる様子。
『あのー、昨日は大変ご迷惑おかけしました・・・』
ソファーから私も降り、正座で謝罪をした。
n「ふっww 全然いっすよw」
『初対面なのにも関わらず・・・』
n「たしかに」
『あの、普段はこんな連れ込んだりはしないです・・・』
n「いや、おれが着いてきたほうっすね」
『お気遣い感謝します・・・』
n「もー堅苦しすぎータメ口でいいっすよー」
寛大なお心、痛み入ります・・・と萎縮しながらも、雰囲気は柔らかいものになっていった。
n「じゃーそろそろ帰るっすわー」
『はい!』
n「・・・・・・・・・」
『ん?』
n「あの、これからも連絡、してもいいですか」
『こっちは構わないですけど・・・』
n「ほんとに?!また電話します!」
あ、電話なんだ。と思いながら、足取り軽そうに帰って行くなるせさん。はたまた、これからも繋がっていられそうなのだ、と少しこちらも浮き足立った。
***
nprse side
不思議な出会いをしたAさんの家を出てすぐ、スマホが鳴った。だれだ。げ。めいちゃんだ。
【なるせくん?昨日どうだったのかな?】
マジでめんどくさい気しかしない連絡・・・
とりあえず、【なんもねーわ】って返しといた。どーせまた根掘り葉掘り聞いてくんだろ。と思いながらも、昨日の夜のことを思い出す。
あんなに他人の家で爆睡しちゃったのはいつぶりだろうなー。たぶん小学生以来かも。ま、疲れてたし、お酒ものんでたってのはあるけど。Aさんとはほんとにこれからも話したい。と素直に思った。考え方とかも、すごく刺激になったから。おれとは全然考え方も、経験も違うからこそ、話してみたいと思った。
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作者名:カニカニハンマー | 作成日時:2022年6月13日 22時